最近、メガバンクと呼ばれるような大手銀行が消費者金融に参入したり、キャッシングサービスを始めたりしていますが、評判はどうなのでしょうか?
安定しているから安心とか言いますが、元が潰れようが潰れまいが、債権はしっかり残るので、別に関係ないような気がしますが…。それよりも借りやすさや返しやすさが気になります。
不安定な消費者金融で借りるよりも安心です
仰る通り、借り入れ先が倒産しても、債権は他の消費者金融などに売却、譲渡され、返済が消えるわけではありません。しかし、過払い金が発生していた場合、その回収が非常に困難になります。
実際のケースでは、倒産した消費者金融が過払い金返還するお金がなく、民事再生法を適用、過払い金は配当という形になります。この配当というのがクセモノで、過払い金の数%しか返還されないことになります。例えば、100万円の過払い金があったとして、5%の返還ならば、5万円しか還ってこないことになります。
また、数%でもあるならまだマシで、中には1円も還ってこないというケースもたくさんあるのです。さらに、債権が別会社に行くということは、金利や返済方法も変わる可能性もあり、大変に混乱します。ですので、借り入れ先の経営が安定しているというのは、利用者にとっても大事なことなのです。
さて、メガバンクのキャッシングについてですが、これはもう安定中の安定したところと言っても過言ではありません。銀行だっていつ潰れるか分からない!という声もありますが、メガバンクが倒産する時は、世界恐慌が起きるか、国自体が破たんしているような状態なので、よほどのことが起こらない限り大丈夫です。
そもそもメガバンクとは、複数の銀行が合併、業務提携し合い、支え合っている、大きなグループ会社の中の一つ、と考えてください。グループですから、提携会社や子会社などもたくさんあります。大元が倒産してしまうと、銀行が倒産、という話だけでは済まなくなるのです。そのため、公的資金投入などで倒産を防いだり、国有化して倒産を回避するようになります。
キャッシングに話を戻しますと、メガバンクならではの高額融資と金利の安さ、そして利便性が挙げられます。提携ATMは全国にありますし、ネットバンキングがある銀行では、インターネット上で申し込みや借り入れができます。口座を作っておけば、その口座へ借りた金額が振り込まれ、返済も口座から自動引き落としの設定もできます。
オペレーターの教育も行き届いており、非常に親切で丁寧な対応だったという声もあります。銀行系は審査が厳しいと評価されがちですが、よほど不安定な職業や、勤続年数、居住年数が極端に短い、過去10年以内に返済の滞納があったなどがなければ、問題はないでしょう。
ぜひ利用されて、ご自身で便利さを確かめてください。百聞は一見に如かずですよ!
【参考ページ】
やはり借りるなら大手が安全?
メガバンクと消費者金融には密接な関係があります
キャッシングやカードローンのサービスは多くの金融機関が提供していますが、その中心となるのは消費者金融などの貸金業者とメガバンクなどの銀行です。この二つは、元々は別々に経営を行っていて、そして別々のサービスを提供していました。
貸金業者は、どちらかというと個人向けの無担保融資や、信用力の低い企業などに貸付を行っていて、銀行は主に優良企業や個人の中でも信用力の高い人を対象として貸付を行っていました。つまり、それぞれが別のターゲットを持ってサービスを提供していたのです。これが少し前の状態でした。
この時期からすでに関係性はありました。貸金業者は、自己資金で貸し付けることもありましたが、貸し付ける資金が不足する場合には銀行から借り入れをして貸し付けることも多かったのです。そのために、両者は取引先として関係があったともいえるでしょう。企業同士の関係で言えば、メインバンクとして銀行を用いているといった関係があったのです。
しかし、現在の状況は大きく異なっています。現在のようになった背景には、貸金業者の経営悪化が大きく影響しています。貸金業者の経営悪化の原因となったのは貸金業法の改正や過払い金の返還請求などです。
かつての貸金業者というと、30%近い金利で貸し付けることも珍しくはありませんでした。これは出資法という法律によって金利の上限が定められていて、出資をするという形をとればこれだけ高い金利で貸し付けることも可能だったのです。しかし、金利が高すぎることなどが社会問題となって、それができなくなりました。
現在では利息制限法の上限金利でしか貸し付けることができなくなったのです。利息制限法の上限金利は、最高でも20%です。100万円を超える貸付を行うときには、上限は15%になります。貸金業者は、利息によって収益を得ているのですから、金利が低くなると当然のことながら収益は小さくなってしまいます。これがまず経営にダメージを与えました。
そして過払い金の返還請求も大ダメージを与えました。上限金利が引き下げられたのは過去の貸付にも適用されたのです。つまり、現在も借入をしている人や、あるいはすでに完済をした人にとっては、利息を支払いすぎていたと言うことになりました。この支払いすぎた利息が過払い金と呼ばれるもので、貸金業者は過去の利用者に対しても返還を迫られたのです。
このような状況の中で、貸金業者の多くは経営を続けていくのが困難になったのです。収益が小さくなり、過払い金という大きな費用がかかってきたのですから、資金が回らなくなってしまうのも当然のことだと言わざるを得ないでしょう。そして、中小の貸金業者は経営を続けられなくなり、廃業したものも多くあります。
廃業しなかったものは統合して経営の合理化を図るなどの方法で生き残ったのです。かつては貸金業者というと、かなり小規模なものもたくさんありました。しかし、現在では小規模なものはほとんどなく、中堅レベル以上の規模を持っていないと経営を続けていくことができなくなったのです。
統廃合が進められる中で、規模は拡大していきます。現在、大手の消費者金融と呼ばれているものの多くは、このような時期に統合をして規模を拡大させていったのです。大手と呼ばれているものであっても、経営が困難になったものも多くあります。資金が回らなくなって廃業せざるを得なくなったものもあるのです。
多くの貸金業者は資金が回らなくなって廃業に追い込まれたのですが、現在も経営を続けているものの多くは銀行に救済されました。救済と言っても、具体的には子会社化を意味します。貸金業者が銀行の子会社となったり、あるいは銀行を中核とする金融グループの子会社となったのです。
銀行はなぜ救済したのかと言いますと、貸金業者のノウハウが欲しかったからです。この時期には、金融に関する規制が緩和され、銀行も競争にさらされるようになりました。景気もかつてほど欲はなくなりましたから、企業への貸付も減り、銀行としても新たな収益源が欲しかったのです。
銀行としては、優良な企業や個人だけではなくて、信用力の乏しい個人への貸付を行うことでサービスの幅を広げ、収益拡大を狙いたいところでした。しかし、信用力の乏しい個人への貸付はリスクが高く、このリスクを管理するためのノウハウが必要でした。銀行にはこのノウハウがなかったのです。
一時期は、銀行と貸金業者とが提携をして子会社を作るなどの方法が行われたり、あるいは信販会社にノウハウを供与してもらうなど、いろいろな方法が模索されました。このような時期に貸金業法の改正や過払い金の返還請求などが行われて廃業するものが続出したのです。
資金力の強い銀行は、この時期に優良な消費者金融を子会社化します。こうすることによって銀行はノウハウを手に入れることができたのです。株式のすべて、あるいは大半を銀行が保有することによって経営権を握り、子会社として利用することになったのです。現在の銀行がキャッシングやカードローンのサービスを提供できるようになったのは、このような経緯があったのです。
ただ、子会社化するといっても、完全に吸収合併してしまうのではありません。元々の貸金業者は独立した会社として存在をしているのが一般的です。独立した会社として存在をして、キャッシングやカードローンのサービスを提供しているものもあります。それとともに、最も重要な業務の一つが保証業務です。
貸金業者は銀行の貸付けに対して保証を行います。こうすることによって、銀行はもしも返済がなされたなかったときには、貸金業者の保証を利用して資金を回収することができます。貸し金業者側は、保証をすることによってその手数料を収入として得ることができます。
現在、銀行でキャッシングやカードローンのサービスが提供されていますが、その裏には貸金業者の保証がつけられているケースが多いです。実質的には貸金業者がノウハウを供与し、銀行を窓口として貸付を行っていると言ってもよいでしょう。いろいろな見方ができますが、銀行にとってもか資金業者側にとっても、よい関係なのです。
たとえば、メガバンクのキャッシングやカードローンを利用するためには、たいていは大手の消費者金融の保証を受けなければなりません。これがあるからこそ、メガバンクはサービスを提供できるのです。
貸金業者としては、現在はすでに経営難から脱しているわけですから、独自にキャッシングやカードローンのサービスを提供すれば経営を続けていくことはできると考えられます。しかし、そうしない理由として貸金業法の改正があげられます。
確かに、独自にキャッシングやカードローンのサービスを提供して利益を得ている貸金業者もあります。しかし、貸金業者として貸付を行うよりも、銀行が貸付けを行う方が、金融機関の利益を拡大できるというメリットがあることも念頭に置いておかなければなりません。これには改正された貸金業法が大きく影響しています。
以前に、貸金業者による高金利での貸付が社会問題となりました。そのために、貸金業者は個人に貸し付けることのできる金額が制限されたのです。これが総量規制と呼ばれるものです。これによって利息収入が減少するのは当然のことだといえるでしょう。しかし、銀行は貸金業法の規制を受けることはありません。つまり、銀行を窓口として貸し付ければ、総量規制は適用されないのです。
このようなことから、貸金業者としては、独自にサービスを提供するよりも、銀行を窓口として貸し付けた方がよいのです。そのために、保証業務に力をおいているといえるでしょう。このように、銀行としても貸金業者としても、協力し合うことによって双方に利益がもたらされるような状況が続いているため、メガバンクは消費者金融を傘下に収めているのです。