現代の日本ではどのような街でも消費者金融が営業をするようになっています。特にインターネットをはじめとした情報通信技術の進化によって、大手の業者などはATMとの連携を強めｍ実際に店舗を訪問しなくてもお金を借りられるような状況を作ってきました。そうした中では今までよりもより気軽に、より便利にお金を借りることができるような状況が作られてきていると言っても良い状態にあるのですが、この消費者金融は誰でも無条件で利用を出来るようなものではないということには注意が必要です。

この消費者向け融資事業は、消費者に対してお金を貸すということが目的になっているわけではありません。業者にとっての最終目標は常に「利息を受け取ることによって収益を上げること」にあるわけですから、消費者に対してお金を貸すというのはあくまでも、その利息を受け取るための方法にしか過ぎないのです。そのため、こうした業者からお金を借りるというような際には事前に審査を受け、その審査によってお金を融資しても問題がないかどうかということを判断してもらう必要が出てきます。

さて、その審査においてはさまざまなポイントが確認されることとなっているのですが、一部では「夜の仕事をしている人はお金を借りられない」というような声も上がっています。では本当に夜の仕事をしている人がお金を借りることはできないのかと言うと、これは必ずしもそうであるとは限りません。そもそもこうした消費者向け融資の審査においてチェックされるポイントは大きく分けて二つあります。

一つ目が「安定した収入の有無」であり、もう一つが「信用の状態」です。毎月しっかりと給与を受け取ることができていて、かつこれまでの金融機関の利用で返済の滞納や、債務整理などによる債務の減免などを行っていないというような場合なのであれば、特に問題はないというような判断を受けることが一般的です。ですから「夜の仕事をしているから絶対にお金を借りられない」ということにはなりません。無職の状態などと比べれば、遥かに融資をしてもらえる可能性は高いと言っていいでしょう。
（⇒収入さえ多ければ融資は受けられる？）

ですが、一部で「お金を借りられない」と言われるようになっているのには、それなりの理由があるのにも事実です。実際のところ、正社員や公務員と言ったようなある程度の安定性がある職業と比較すると、こうした所謂「水商売」と呼ばれるような仕事をしている人に対しては、業者も慎重な判断をせざるを得ないことが多いのです。ではどうしてそうした判断をせざるを得ないのかと言うと、これを説明するにはまず「安定した収入」の定義について考える必要があります。

この「安定した収入」というのは、金融業界では「月々の決まった日に、一定の金額の給与を受け取ることができる人」という形で定義をされています。もちろん残業などによって数千円から数万円程度の差異が出るというようなことはどこでもありえますが、最低限のラインがしっかりと定まっているというのであれば問題はないと判断されるようになっています。

しかし水商売などの場合、その収入はこうした正社員や公務員などの給与形態とは大きく異なるのが一般的です。基本的な時給をベースとしたうえで、その後の売り上げなどによって収入が変化するということが多いため、月々の最低限の水準と、平均の給与水準、収入が多かった月の給与水準が大きく離れてしまっていることが多いのです。そしてそうした生活を長く続けている人は、全ての人が当てはまるわけではないにしろ「最低限の給与」よりも「平均的な給与」を生活における収入であるとして考える傾向があります。

そのため、月々の収入が変化した際に、返済できるお金に関しても一定ではなくなってしまうことがあるのです。加えてこうした所謂水商売、特に「風俗店」などの業種で働いているというような場合には、別の問題が出てきます。「夜の仕事」という区分は非常に広いものであり、その職業にはホステスやバーテンダー等と言ったような業務があります。こうしたホステスやバーテンダーといったような職業については、たとえその人が高齢になってしまったというような場合であっても働き続けることは不可能ではありません。むしろバーテンダー等、技術や経歴によって収入レベルが変化することが予測できる職業の場合は、その後の給与が上昇する可能性があるわけですから、業者によっては通常の正社員などと同様に考えてもらうこともできるでしょう。

しかし、こと風俗店などの場合、基本的に、若い女性のみが行うことができるものです。人間はどういった人であっても年を取るものですから、いつかはそうした仕事に従事できなくなる日が来ることは明確です。そしてその仕事に従事できなくなってしまったというような場合、その人は「無職」という立場になってしまいます。

幸運にも別の業種にすぐに再就職が出来たというような場合であったとしても、それが全ての人にとってあてはまるわけではありません。消費者金融にとって、こうした「特定の人だけが出来る仕事であり、その仕事ができなくなる日が来ることが予測される」ということは、非常に大きなリスクであると考えられるものとなってしまうのです。

それでは「夜の仕事をしている人が消費者金融を使うにはどうすればよいのか」ということになりますが、これは審査の際に一工夫を凝らすことで融資してもらいやすくなります。その一工夫として必要なこととなるのが「希望する借入限度額を低くする」ということです。

借入限度額とは、それぞれの業者で審査を受ける際に消費者が自分で指定する「借入の限界の金額」ということになっているのですが、この限度額を10万円や、それ以下などの非常に低い水準にすると、融資をしてもらえる可能性は飛躍的に高くなります。借入限度額が低いということは業者にとって、契約した消費者が限界まで使用をしたとしても返済をしてもらえる見込みがあるということになるからです。

例えば年収が300万円の人が借入限度額を10万円に設定して申し込んだというような場合であれば、その審査はかなり高い確率で通過できることとなります。中には「もっと多くのお金を借りたい」と考える人もいるのですが、業者にとってリスクが高い職業に就いていると判断される恐れがある以上、最初から高額の借入限度額を望むということはかなりリスクが高い行為です。もし本人が限度額いっぱいまで借りるつもりはなかったとしても、万が一の際に限界まで借りられてしまったのであれば、結局として業者がリスクを抱えることになるのは間違いありません。

加えて言えば、こうした借入限度額は利用していくうちに変化することとなります。最初の借入限度額が10万円であったとしても、その範囲内でしっかりと利用をして、返済をしていくことができていたのであれば、時間が経つにつれてその人に対する信用は高まっていくこととなるのです。

こうした「利用につれて信用が高まり、限度額の引き上げをしてもらえるようになる」ということは「増額が可能になる」というようにも言われるのですが、半年や一年など、しっかりとした態度で利用をしていくことができたのであれば、たとえリスクのある職業に就いている人であったとしても、業者から「この人はしっかりしているからもっと貸しても問題ない」というように見てもらうことができるようになるのです。

消費者金融はお金に困っている時にこそ有効活用できるものですが、だからと言って本当にお金に困った瞬間に審査を申し込んでも、融資をしてもらえない恐れがあります。ですから「今は必要ではないけれど、もしかしたら今後必要になるかもしれない」と考えているような人なのであれば、なるべく余裕のあるタイミングで事前に審査を受けておくようにすると、後になってからもより楽に利用を出来ることとなるのです。