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銀行と消費者金融の関係は?

この前、ふとテレビを見ていたら、消費者金融のCMが出てきたんです。そこで、最後に「○○銀行グループ」というテロップが出てきました。そこで思ったんですが、最近って消費者金融はどこかの銀行のグループ会社になっている、ってことが多くないですか?自分は普通にお金を借りることができれば別にいいので、気にするようなことでもないんですが、どうしてこういう風潮になったのでしょう?

お互いの経営資源を活かすためです

ご指摘の通り、最近では「○○銀行グループ」というテロップが消費者金融のCMでよく流れています。大手といわれる消費者金融はたいていそうなっているので、「まったくそんなの見たことがない」という人が逆に少ないでしょう。では、なぜこんなことになっているのでしょうか。

それには、まず、現代の銀行の経営環境についても触れておく必要があります。昔は、「都市銀行=安定した職場」というように、銀行にもそれなりに経営体力はありました。しかし、長引く不況から、大手といわれていた銀行が相次いで経営破たんする、ということが2000年代に入り、続いていました。これをわかりやすい言葉で言えば、「大手の銀行だからといってつぶれない、というのは昔の話」ということです。

そこで、大きな銀行が相次いで他の銀行を手を組む=合併に走るようになりました。「昔はもっといろいろな銀行の名前があった気がするけど、だいぶ減ったよね」と思う方もいるかもしれません。その通りです。現在は具体的な社名は避けますが、赤のメガバンク、緑のメガバンク、青のメガバンクというように、3大銀行グループとその他の都市銀行、というイメージになっています。

こうして、合併を繰り返して大きくなった銀行は、業務の多角化の一環として、消費者金融を自らのグループに取り込むことを考え始めました。「消費者金融を使っている人が自分のところのATMで手続きができれば、その人を顧客として取り込めるかもしれない」「逆に、自分の銀行を使っている人が、お金を借りたい、と思ったとき、消費者金融を選択肢の一つとして示せるかもしれない」というのがその思惑です。

そこで、大手銀行グループによる消費者金融会社の株式取得が始まりました。先ほどのメガバンクの色で言えば、青はそういうことはやっていませんが、赤と緑はそういうことをやっています。そういった経営戦略がうまくいったためか、大手の消費者金融はどこかの銀行のグループ会社になる、ということが珍しくなくなったのです。また、銀行グループの傘下にある消費者金融会社は、親会社である銀行が提供するカードローンの保証業務も請け負っている、という関係もあります。

銀行と消費者金融との関係は農耕になりつつあります

銀行と消費者金融とは、古くから付き合いがあります。現在はかなり提携が進んでいますし、業務提携だけではなくて資本提携も行っています。ですから、かなり関係は深くなってきていると考えられます。資本提携とは、つまり株式を保有しあうという関係です。これは古くから行われていたことですが、これがさらに進んだと考えられます。(参考ページはこちら→銀行系消費者金融には強みが多い?

資本関係とは、つまり株式を保有することを意味します。株式を保有すれば株主になりますが、株主になれば企業が上げる利益の一部の配当を受けることができたり、議決権を得られたりします。つまり、株式会社は株主のものであるといっても良いでしょう。株式を所有するということは、つまりその会社を保有することだと同じだと考えられるのです。

株式を発行する会社は、発行した株式を売るわけですから、資金を得ることができます。株式を受け入れる会社は資金を投じて株式を手に入れて、そして株主となるのです。もっと簡単に言えば、会社の一部を、お金を出して買うということを意味するのです。これはいろいろなケースで行われていますが、子会社化するときには良く用いられる手法です。

もともとは資本提携を行っていないか、あるいは行っていてもごく一部だけでしたから、希薄な提携であったといえるでしょう。希薄な提携であっても、それが問題になることは特にありませんでした。なぜなら、消費者金融は独立して経営を行うことができ、それなりに収益を上げていたからです。

このときのビジネスモデルは、借り入れた資金を消費者に貸し付けて利子を得るというものです。借り入れたときの利子よりも貸し付けたときの利子のほうが大きければ、その分だけプラスになります。ですから、一般的には高い金利が設定されていて、高利貸しなどとも呼ばれていたのです。このようなビジネスモデルで経営を行っていましたが、それで収益が十分にあったために、メインバンクとして用いていただけだったといえるでしょう。

提携が強くなり始めたのは金融業界が変化してきたことによります。金融業界が変化した理由はいろいろありますが、やはり景気の悪化が大きく影響しているといえるでしょう。景気が悪化したことによって資金需要が減り、貸し出しが減ってきたのです。このような状況で、メガバンクはキャッシングやカードローンといったサービスの提携を模索し始めます。

たとえば、あるメガバンクはキャッシングのサービスを提供している貸し金業者と合弁で子会社を作りました。この子会社を作ることによってカードローン事業へと参入しようと試みたのです。この事業も一部は成功したようですが、現在のような大規模なものにはなりませんでした。

貸し金業者側としては、自社で経営を成り立たせることができるのですから、わざわざメガバンクと提携をする必要はなかったといえるでしょう。というよりも、競争相手としてメガバンクが登場することによって、シェアを奪われてしまうという懸念もあったのです。どちらかというと消極的な提携だったとも考えられます。

これが強固な提携になったのは貸し金業者の経営が悪化したからです。過払い金の返還請求と上限金利の引き下げがもっとも大きな理由だと考えられます。この二つが起こったことによって、貸し金業者は財務基盤が危うくなったのです。もっと簡単に言うと、資金が不足して経営を行うのが難しくなってきたといえるでしょう。

事実、資金繰りがうまくいかずに廃業を選択したものもありますし、吸収合併を繰り返すなどしたものもあります。そのため、営業を続けられるか資金業者の数は一気に減ったのです。このような状況で、貸し金業者としては資金を確保することが急務でした。そのためにメガバンクの資本を受け入れたと考えられます。

たとえば、ある消費者金融はこのようにして資本を受け入れることにより、子会社となりました。資本提携が強固になったわけです。カードローン事業に進出したいメガバンクと、資金繰りに困っていた貸し金業者側との利害が一致して、資本提携が強固になったといえるでしょう。

貸し金業者側としては、資金を確保するために仕方のない選択肢だったと考えることもできます。しかし、結果としてこれは良い方向に動くことになります。その理由のひとつが貸し出し金額に対する規制がしかれたことです。当時は、グレーゾーン金利や多重債務者が社会問題となりつつありました。そのために、一般的な消費者が無担保で借りられる資金を規制しようという動きが強まったのです。

この規制は貸し金行法の中で定められることになります。貸し金行法が改正され、規制が強くなったのです。もしも貸し金業者がそのまま営業をしていたとすれば、貸し出すことのできる金額は制限され、収益の低下が見込まれたでしょう。つまり、それによって経営が悪化することも想定されるのです。

ただ、このような規制は銀行には適用されません。なぜならば、貸し金行法は貸し金業者に対する法律だからです。これをうまく利用したのが当時の戦略だったと考えられます。つまり、貸し金業者として貸し付けるのではなくて、銀行として貸し付けることによって制限を回避しようというものです。

現在、メガバンクでカードローンを利用するためには審査を受けなければなりません。この審査では保証会社の審査も行われます。保証会社となっているのは、その多くは貸し金業者です。保証というと債務に関するリスクを引き受けるわけですから、貸し出しを行っているのと同じようなものだと考えられるのです。

言い換えれば、貸し金業者側が銀行を通じて一般消費者に貸し付けていると考えられます。こうすることによって、貸し金行法による規制を回避することができ、多くの資金を貸し付けることに成功したのです。こえが収益の拡大につながったとも考えられます。

メガバンク側としても、子会社化することによってカードローン事業に参入でき、利益を得られるようになったわけですから、非常に大きなメリットがあったといえるでしょう。どちらが輪にとっても、資本提携をすることによって大きなメリットを得られたのです。

このように、もともと希薄であった関係が、現在ではかなり強固なものとなってきています。これがさらに進展していて、貸し金業者は保証会社として経営の規模を拡大させています。メガバンクなら資金も豊富にありますから、貸し金業者を子会社化してカードローン事業に参入することができますが、そうではない地銀などもあります。

地銀などの場合、独自に子会社を抱えることは難しく、そのためにやはり保証会社を利用しなければカードローン事業に参入できないといえるでしょう。メガバンクの子会社となった貸し金業者は、地銀がカードローン事業を行うときの保証会社にもなっていて、貸付の窓口を拡大させてきたといえるでしょう。このようにして経営の規模はどんどん大きくなってきたのです。

ただ、現在のようになるまでにはいろいろな変遷を経てきています。というのも、メガバンク同士が同じ貸し金業者を取り合うような状況も生まれたのです。資本がほぼ半数ずつになっていた貸し金業者もあります。ライバルのメガバンク同士で資本が半数ずつですから、どちらのものでもないといった関係になるわけです。結局は事業によって会社分割が行われて、それぞれのメガバンクの子会社となりましたが、それにはかなりの時間を要しました。

現在、メガバンクを初めとしてさまざまな銀行でカードローンを利用することができますが、ここにいたるまでには買収や合併、資本提携など、いろいろなことがあったのです。ただ、いえることは実質的にリスクを負ってサービスを提供しているのは、保証会社としての業務を行っている消費者金融であって、メガバンクや地銀は窓口となっているだけだとも考えられるのです。

【参考ページ】
中小消費者金融はもう残っていない?

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