消費者金融を利用したいというような場合には、まず必ず審査を受ける必要があります。

審査においてはそれぞれの消費者の様々な情報がチェックされることとなっており、住所や氏名といったような情報はもちろんのこと、その人の職業や年収などもチェックの対象として扱われるようになっています。その審査は時として、消費者にとっては非常に「厳しいもの」であるようにも思えることがあります。

ですが審査を行わずに融資をするというような消費者金融を利用することは避けるべきです。審査はそれぞれの消費者の信用をチェックするものであり、業者からしてみれば「本当にお金を返してくれる消費者かどうかを確認する」という意味があります。この確認をせずに融資をするというような消費者金融になってしまうと、その業者の経営方針には非常に大きな疑問を持たざるを得なくなってしまうでしょう。

誰に対しても融資をするというようなことになっているのであれば、その業者は貸し倒れなどのリスクを多分に抱えていることとなりますし、場合によってはヤミ金と呼ばれる業者のような、非合法的な営業を行っている業者である恐れもあります。そうした事情があるため、消費者金融を利用するというような場合には、必ず審査を受けなくてはならないのです。

審査においては「安定した収入のある成年者」という条件を満たしているのであれば、かなり高い確率で通過することが可能です。しかし中には、事前に自身が審査を通過できるような状態にないということを知っており、審査に通過したいがために嘘をつくというような消費者もいます。

さて、それでは「消費者金融で無職なのに嘘をつく」というようなことをしてしまったのであれば、これはどうなるのでしょうか。これについてはまず結果からいえば「殆どの場合は融資をしてもらえない」ということになるでしょう。

確かに審査においては基本的に自己申告によって情報を伝えることとなっていますから、書類のうえで「会社員」などの形で申告をするということは十分に可能です。しかしこの審査においてはまず間違いなく「勤務先の情報」の提示も求められるようになっています。この勤務先の情報としては企業名や企業の電話番号、所属する部署などが必要とされるケースが多いのですが、こうした情報を伝えなくては書類の不備によって審査を通過することはできません。

「それならばそうした情報にも嘘をつけばよいのではないか」というように考える消費者もいますが、実際にはそこで嘘をついたとしても、ほぼ間違いなくそれは嘘だとばれることになります。ではどうしてばれるのかというと、現代の消費者金融では「在籍確認」が行われるようになっているからです。

在籍確認とは、消費者が申告した企業に対して、それぞれの消費者が本当に在籍しているのかどうかをチェックするために行われる確認のことです。この確認の方法は「企業に対して電話をかけて、本人に取り次いでもらう」というような形で行われることとなっていますから、本当は勤めていなかったというようなことになったのであれば、それはすぐに知られることとなってしまうのです。本当は勤めていないというような場合なのであれば、この在籍確認をクリアするというようなことはほぼ不可能になってきますから、結果として無職であるにもかかわらず嘘をついて審査を受けたとしても、融資をしてもらうということは出来なくなってしまうのです。

現在、在籍確認を行っていないというような業者は、少なくとも健全な業者には存在していないといっていい状態です。もし在籍確認を行わずに融資をする業者があったというのであれば、その業者の経営安定性には強い疑問がもたれるほか、悪徳金融業者である恐れすら出てくることでしょう。

さて、それでは何かの間違いによって、万が一融資を受けることができたというような場合はどうなるのでしょうか。実際、無職でも融資を受けることができたという人がこの世にはいないわけではありません。例えば偶然にも同姓同名の人が企業に勤めていて、その人が外出などによって電話に出られないことが続いたというような場合には、業者によっては「確認が取れた」というような扱いにすることがあります。こうしたケースであれば一見すると問題なく融資を受けられたようにも見えますが、実際にはそう考えるのは大きな間違いです。

ではなぜ間違いと言えるのかと言うと、自身の職業を偽って契約を結ぶということは「詐欺行為」にあたる恐れがあるからです。そもそも消費者金融と消費者の間で結ばれる金銭貸借契約においては、法的な拘束力を持つ書類を作成することとなります。そうした書類を作成するという際には、原則として「嘘をつく」という行為は認められません。

もし消費者が自身の利得のためだけに情報を故意に偽って契約を結んだというようなことになれば、それは立派な詐欺行為です。利用中に問題がなかったとしても、もしそうした嘘が業者にばれたのであれば、その時点で契約を解除され、また契約違反行為として残債の一括返済を求められることが十分にあり得ます。

一見すると一度審査を通過できたのであれば嘘がばれる心配はないというようにも見えますが、実際のところ、消費者金融は定期的に消費者の情報の確認などを行うようになっています。特に契約からしばらく時間がたち、増額の審査をするというような場合になったのであれば、その消費者の信用情報が照会されることとなるでしょう。

この信用情報には様々な情報が記録されていますが、そうした様々な情報の一つとして記録されているのが、勤務先の情報です。そしてこの信用情報は消費者金融業者のみならず、銀行やクレジットカードといったような業者も情報を共有していますから、もし別の場所で「無職」として申し込みをしたことがあったのであれば、消費者金融業者も情報を照会した時点でそれを知ることとなるでしょう。

もしこうした嘘がばれてしまったというようなことになったのであれば、最悪の場合は詐欺行為を働いたとして告訴をされることもあり得ますし、利用中に返済不可能になって自己破産などをしようとしたとしても、そもそもの契約で消費者に落ち度があるわけですから、そうした債務整理すら認められないこともあるでしょう。

また、もしも債務者が返済を滞納してしまったりして、その請求が会社に勤めている同姓同名の第三者に対して行われてしまったというのであれば、その第三者から訴訟を受けることもあり得ます。もちろんありとあらゆるケースがこう言った結末になるとは限りません。中には無職で融資を受けて、それがバレないまま利用を続けているというような人もいますし、審査は消費者金融の業者が責任を持って行うものですから、無職の人が審査を通過できたということの責任の一部が消費者金融の業者に対して求められることもあります。

とはいえ、故意に嘘の情報を伝えて契約を結ぶということが、社会的な規範から大きく逸脱する行為であるということは間違いありません。そもそも消費者金融は「働いている人が消費目的の融資を受ける」というために存在しているものなのですから、もし無職の人がお金に困窮したとしても、まずは自分から働く先を探したり、そうしたこともできないというような状況なのであれば市町村役場に対して相談を持ちかけた方がよいでしょう。

消費者金融は現在、日本の各地で営業が行われる事業になっており、誰でも気軽に利用をすることができるようになりました。しかし、どれだけ消費者金融が気軽に利用できるような存在になってきたとしても、そこに生じる義務や責任が軽くなるというようなことは決してありません。消費者金融の審査を申し込むというような際には、自身がこれから「法的な拘束力を持つ契約を結ぼうとしている」ということと「契約を結ぶ際には社会的な規範を守らなくてはならない」ということをしっかりと理解しておくように心がけましょう。