消費者金融を利用するというような場合には、お金を借りることとなる人が自分の名義で審査を受け、契約をしなくてはなりません。中には名義を偽って契約をしたり、名義人が他人に権利を貸し出す形で利用させるというようなこともあるのですが、こうした行為はれっきとした違反行為ですから、避けなくてはなりません。もしこうした違反行為を意図的に行ってしまったというような場合には、その人に対しては非常に重いペナルティが課せられることもあり得ます（参考ページはこちら→融資における主なペナルティ）。

例えばその違反行為が発覚した時点で有していた残債の一括返済を求められるというようなこともあり得ますし、もしその違反行為によって業者が不利益をこうむってしまっているというのであれば、それに対して賠償を求める裁判を起こされることもあり得ます。もしこうした裁判沙汰になってしまったというようであれば、その事態を解決するためには多額の費用と、長い時間がかかってくることとなるでしょう。最悪の場合は前科が付いてしまい、その後の人生設計が大きくみだされてしまうということもあり得るのです。

さて、こうした契約を結ぶというような場合、必ず利用されることとなるのが「身分証明」です。これを提示することによって消費者金融で審査を受ける消費者が本当に借入をする本人と同一人物であることを証明し、法的な責任の所在を明らかにするのです。もちろんここで虚偽の身分証明が提示されたというような場合であれば、審査の中でそれが明らかになった際に契約は不可能と言うことになってしまうでしょう。業者によっては「虚偽の申告をした」という情報を自社に保管して、その後数年間にわたって審査を受けてくれなくなることもありますから、注意が必要です。現代の消費者金融の審査においては非常に厳重なチェックが行われるようになっていますから、もし身分を偽って審査を申し込んだとしても、それは間違いなくばれると考えておいた方がよいでしょう。

それでは、こうした消費者金融の審査に用いる身分証明にはどういったものがあるのでしょうか。これには大きく分けて三種類があります。

まず最初に、最もよくつかわれる傾向にあるのが「運転免許証」です。これは各都道府県によって発行されるものであり、金融機関のみならず、様々な場所で身分を証明する書類の代表格として扱われるようになりました。この運転免許証は写真が貼付されており、その個人の氏名や住所、いつ発行された免許証なのかということが記載されているため、証明の用途においては非常に有効に活用することが可能です。通常の業者なのであれば、基本的に運転免許証を提示することができればマイナスになることはないと考えて良いでしょう。運転免許証が業者に好まれる理由はいくつかありますが、最大の理由となるのが「発行する機関に証明力がある」ということと「写真が貼付されている」ということです。

法的に証明力を持つ機関によって発行がされているものなのですから、身分を証明するに当たっては非常に強い効果を発揮してくれますし、万が一のトラブルが発生した際には写真を利用して本人の特定ができるということも非常に大きな意味があります。ですから、証明書の提示を求められた場合はまずこの運転免許証の提示をするようにすると良いでしょう。

次に証明書として使われているのが「パスポート」です。これも運転免許証と同様、法的な証明力を持つ機関が責任を持って発行しているものになります。加えて運転免許証と同様に写真も貼付されていますし、氏名や本籍地、生年月日と言ったようなものが記載されてますので、証明力は非常に優れています。ただ運転免許証とは異なり、その人の住んでいる住所については記載がないケースもありますから、こと審査の場においては運転免許証の方が優先されると考えて良いでしょう。

また消費者にとってもパスポートを作成するということは負担になることがあります。海外に旅行に行くために作ったことがあるというような場合なのであれば問題はありませんが、ただこうした審査に用いるためだけにパスポートを作るとなると、ある程度の費用がかかってくることとなってしまうのです。例えば東京都で10年間有効のパスポートを発行するというようなことになったのであれば、手数料の2000円と収入印紙の14000円で、16000円の費用がかかってくることとなります。5年間有効のものだと多少費用は軽減されますが、それでも手数料2000円と、収入印紙の9000円がかかってくるということになってしまうのです。ですから、このパスポートを利用することによって身分を証明するのであれば、それは事前に発行してもらったものを利用するようにした方がよいでしょう。

そして最後の三つ目の証明書となるのが「健康保険証」です。現代の日本では「国民皆保険」と呼ばれるような制度が確立されています。これには社会保険や国民健康保険などの種類がありますが、どういった保険を利用するような場合であったとしても、それぞれの保険を運営している団体が責任を持って、保険証が発行されることとなります。この保険証は金融機関のみならず他の公的機関などでも身分証明に使うことができ、運転免許証もパスポートも用意できないというようなことになってしまっているのであれば、この健康保険証を提示することで身分の証明をすることとなるでしょう。普段から携帯している人も非常に多いため、比較的気軽に利用できる証明書というような形で活用することができますが、こと審査と言う場においてこの健康保険証を提示する場合には、いくつかのポイントに注意が必要です。

特に注意をしなくてはならないのが「一般的な保険証には写真が貼られていない」ということです。ここまでに述べた運転免許証やパスポートには、どちらも写真が貼付されていました。これによって本人を特定することができていたのですが、健康保険証にはこうした写真がないため、保険証のみで個人を特定することはできません。あくまでもこの健康保険証は厳重に保管されるべきものであり、それを利用できるのは原則として本人のみであるからというのが証明に利用される理由です。消費者金融の審査においては「本人かどうか」ということが最も重視されるポイントになっているのですから、健康保険証はなるべく提示せず、なるべくは運転免許証を提示するようにした方が無難でしょう。

また業者によっては、事前に提示する証明書について指定を加えている場合もあります。指定の内容としては「基本的には運転免許証を提示してほしいが、どうしても不可能な場合はパスポートや健康保険証で代用することもできる」というような形になっていることが一般的です。

運転免許証を保有していないという人も最近は増えてきましたから、運転免許証を出さなかったからと言ってそれだけで審査に落ちることはありません。ですがより高い信用を勝ち取りたいというのであれば、運転免許証を提示した方が無難と言うことになってしまうのです。

さて、では身分証明を提示する際の注意点はあるのかと言うと、これは基本的にそれぞれの業者の指定に従えば問題ありません。店頭で審査を受ける場合には証明書を担当者に渡せばそれで問題ありませんし、インターネット審査などを利用する場合には、それぞれの解説で指定されている面を撮影し、メールや線用フォームで提出すればよいということになります。

ただインターネット審査の際、運転免許証を提示するというような場合には、事前に運転免許証の裏面を確認しなくてはなりません。運転免許証の裏面には「備考」の欄があるのですが、この備考欄に何かが記載されているというのであれば、これも相手に見せる必要があるのです。この備考欄については提出の際に忘れてしまっている人が少なからずいますから、必ず事前にチェックして、自分が提出する必要があるかどうかということを確認しておくようにしましょう。