消費者金融は非常に便利なものですが、実際に利用をするというような場合になるとまず申し込みをして、審査を通過しなくてはなりません。最近ではインターネットなどの情報通信技術も非常に発達してきていますから、自宅に居ながらにして審査を申し込み、結果をみるというようなことも可能となりました。

しかし実際に審査を受けるというような場合になると、事前に用意しておかなくてはならないものがいくつもあります。さて、それでは消費者金融の審査においてはどういったものが必要な物になるのでしょうか。

まず最初に間違いなく必要になるのが「身分証明書」です。基本的にこれは消費者金融に限らず、法人と個人が契約を取り交わすというようなことになるのであればまず間違いなく必要な物となるでしょう。この身分証明として使える書類はいくつかありますが、最も一般的に使用されるのは運転免許証やパスポート、健康保険証と言ったようなものになっています。中でも特に好まれるのが運転免許証とパスポートの二種類になっており、特別な理由が無いというのであれば、この二つのうちのどちらかを提出すれば問題ないと考えて良いでしょう。

どうしてこの二種類が好ましいのかと言うと、これは「写真が添付されている書類であるから」というのが最大の理由です。現在営業を行っている業者のほとんどは、これまでよりもはるかにリスク管理をしっかりするようになっています。そのリスク管理の中でも特に注意しなくてはならないのが「偽装」のリスクです。提示した身分証明書とは異なる人であるにも関わらず、落し物を拾ったなどの不正な方法によって身分を偽り、お金を借りようとする人が少なからず存在しているのです。

もちろん、そういった相手に融資が行われたというような場合、よほど大きな過失がない限りはその債務は無効となります。そのため「不正利用された」というような場合になっても問題を解決することは可能ですが、こうした個人証明書は必ず厳重に保管するように心がけましょう。

これらの書類についてですが、運転免許証に関しては各都道府県にある免許試験場で試験に合格すれば発行してもらえますし、パスポートも各都道府県にある窓口に申請をすれば発行してもらうことができます。ただしどちらにせよ、新規で発行してもらうというようなことになるとそれなりの費用や手数料がかかってくることとなりますから、もしどちらも持っていないというような場合なのであれば、健康保険証などで代用するとよいでしょう。

しかしここで確認をしなくてはならないのが「引越しをした直後などの場合」です。引越しをした直後などに審査を受けるということになってしまうと、時として身分証明書に記載されている住所と、実際に居住している住所が異なっているというようなことがあり得ます。こうした場合、住所が別の場所にあるにもかかわらずそれを伝えずに審査を受けてしまうと、後から「虚偽の情報を伝えた」としてトラブルになってしまうリスクが出てくるのです。

そのため、もし住所などが変わっている場合には、身分証明書と併せて「現在住んでいる住所を証明できる書類」が求められることとなります。この現住所の証明については国税・地方税の領収書や請求書、公共料金の領収書または請求書、住民票の写しなどを使用することとなりますが、もしこうしたケースに当てはまるのであれば、事前にこれらも準備しておくように心がけましょう。

次に、借入の金額によっては必要となるのが「収入証明書類」です。これはそれぞれの消費者金融によって基準が異なりますが、50万円以上などのある程度高額の融資を希望するというような場合に提示を求められることとなります。また業者によっては希望する借入額が一定水準以下であったとしても、他社の利用残高と借入額を合算した際の金額によっては収入証明の提示を求められることがありますので、このポイントについては特に注意が必要になります。（参考ページはこちら→収入は融資では欠かせないポイント）

さて、それではこの収入証明書類としてはどういったものが使えるのかというと、基本的には源泉徴収票、確定申告書、給与明細書のいずれかということになります。源泉徴収票と確定申告書の二種類については常に最新のものを提出することが必要となりますが、給与明細書を提出する場合には直近2カ月分の物に加えて、1年分の賞与明細書などが求められることもあります。これもやはりそれぞれの業者によって異なるポイントなので確認が必要になりますが、給与明細書を収入証明として使う場合、最低でも2ヶ月分は必要になると考えておくべきでしょう。

この収入証明が必要とされる理由についてですが、これは「消費者が借り過ぎてしまうリスクを管理する」という目的のほか、「総量規制に対応するため」という理由も存在しています。総量規制とは現代の貸金業法によって制定されている、消費者向け融資の総額を制限する規制です。この総量規制においては貸金業者、つまり消費者などに対して金銭を融資して、その利息を収入とすることで事業を行っている業者が消費者に対して融資をする場合、その融資の総額は消費者の年収の1/3以下までとするというような文言が書かれています。

年収が300万円なのであれば100万円まで、3000万円なのであれば1000万円までが融資の限界と言うことになるのです。一見すると消費者にとっては不利な規制であるかのようにも見えますが、実際にはこれはかつての日本において「債務トラブル」が多発していたために作られた規制です。

かつての日本では、消費者に対してどれくらいの金額を融資するかということについては金融機関の判断によって決定することができました。もちろん返済することが出来ないような金額を設定するというようなことは通常であれば行われなかったのですが、金融機関からしてみれば「消費者により多くのお金を借りてもらえれば利益が増える」ということになるのですから、本来あるべき金額よりも高い金額が設定されるというような事態が横行していたのです。

そうした状況を改善するため、また金融機関の経営をより安定したものにするために作られたのがこの総量規制なのですから、もし収入証明の提出が求められたというようなことになったのであれば、必ず提示するように心がけなくてはなりません。

ここまでに述べたことを総括すると、基本的に間違いなく必要な物となるのは「身分証明書」であり、場合によって必要となるのが「現住所を証明できる書類」や「収入証明書」ということになるのです。しかしここで必ず覚えておかなくてはならないこととなるのが「必要な物に関してはそれぞれの業者によって微妙に異なる場合がある」ということです。

例えば身分証明に使えるものとしては運転免許証や健康保険証、パスポートがあるということは先に述べましたが、業者によっては写真が付いていない健康保険証は身分証明書として認めていないということもあるのです。またインターネットを利用して審査を申し込むというような場合になると、これらに加えて、身分証明書をパソコンなどに取り込むことができる携帯電話やデジタルカメラ、スキャナなども必要になってきます。

最近だとスマートフォンの専用アプリを利用することで身分証明書を送付できるというような業者も増えてきましたが、これも全ての業者が対応しているというわけではありません。審査を受ける際には身分証明書と現住所を証明できる書類、収入証明書の三つがあれば問題はないことがほとんどですが、もし不安があるというような場合や、これまで一度もお金を借りたことがない人が審査を受けるというような場合には、念には念を入れてそれぞれの業者のオペレーターに確認をとるようにした方がいいでしょう。
（⇒融資申し込みもネットから行う時代）

通常の業者であれば問い合わせ用の窓口を設置していますので、その窓口に「必要な物は何ですか」というようなことを聞けば答えてもらうことが可能です。「消費者金融に申し込みにいったはいいけれど、証明書が足りなかった」というようなことにならないよう、事前にしっかり確認するように心がけましょう。