最近テレビなどでよくオリックス銀行カードローンのコマーシャルを見かけますが、通常の消費者金融とはどのあたりが違うのでしょうか?(参考ページはこちら→金融業者毎の違い)
オリックス銀行カードローンの特徴をお教えします
世間のメガバンクと比べて知名度が低いオリックス銀行は近頃、テレビや雑誌での告知に力を注いでいます。そんなオリックス銀行はカードローンの取り扱いに積極的に取り組んでいますが、そのオリックス銀行のカードローンは、消費者金融のカードローンとどう違うのか(どんな特徴があるのか)をご説明します。
まずオリックス銀行カードローンについてですが、そもそもオリックス銀行とは、オリックスグループに属するネットバンクになります。よってオリックス銀行としての店舗やATMを設置せず、かつ通帳も発行していません。
(⇒銀行融資の基本的な違い)
そのオリックス銀行のカードローンを利用する条件としては満20歳以上65歳以下で国内在住、また年収は200万円以上ということになっています。職業によっての制限はありませんので、パートやアルバイト、自営業の方でも年収が200万円以上であれば申込みが出来ます。
ちなみに即日審査にも対応しており、お金が急に必要になった場合には便利です。ただ時間帯によっては審査が込み合うため、比較的少ないと思われる時間帯に申込みをした方が良いでしょう。
またオリックス銀行カードローンの特徴としては、お金を多く借りないと、金利があまり安くならないということが挙げられます。そのため他のローンと比較して少し多めにお金を借りられますので、他社から借りたキャッシング残高が多い場合にはおまとめローンを利用する、もしくは生活での必需品を買うなどの場合に利用するのがお勧めとなります。
さらに、もうひとつの特徴として、希望限度額が300万円以下の場合、収入証明が不要であるということです。通常、消費者金融では50万円を超える金額を借りる際には収入証明が必ず必要とされており、それは銀行系消費者金融の場合であったとしても100万円ないしは200万円を超える際には必要と決められている会社が多いです。よって、オリックス銀行カードローンのように300万円という高額の場合でも収入証明不要でお金を借りられるのは大変便利で助かります。
しかしながら誰でも彼でも収入証明不要で借りられるというわけではなく、あくまでもオリックス銀行が認めた方のみの話であり、300万円以下の借入希望であっても人によっては収入証明の提出をしなければならない場合もあります。
ちなみにオリックス銀行が認める300万円の満額を収入証明不要で借りられる人というのは非常に限られており、オリックス銀行ではお金を借りたい方が申し込みの申請をされた際に、その方の職業の情報を元にして、年収や返済能力を想定・算定するのです。やはり一部上場企業の正社員の方や公務員の方は安定した高収入が見込まれるため、ほとんど問題なく収入証明不要で300万円の借り受けを受けることができるといわれています。ただそういった職業や収入ではない場合には、その方の職業や収入に応じて収入証明不要の希望借り入れ限度額が決められます。さらにまた他の消費者金融にて借り入れをされている場合には、その金額分を差し引かれて算出されますのでご注意ください。
オリックス銀行の消費者金融事業への参入について
オリックスはリース事業を中心とする金融グループで、銀行や保険業、証券業などにも進出している会社です。銀行の系列で言えば、もともとは三和銀行を主体として設立されます。このときにはオリエントリースとして設立されました。その後は順調に経営を拡大させていき、大阪証券取引所や東京証券取引所に株式上場するなどして知名度を上げていきます。
オリックスという名前については、オリエントコーポレーションと紛らわしいこともあって、かつては知名度が低かったようです。知名度が一気に上がったのは球団を持ったことです。阪急グループの持っていた球団である阪急ブレーブスを買い取り、オリックスブレーブスが誕生します。その後、オリックスブルーウェーブと名前を変更しますが、日本シリーズを制するなどしてオリックスという知名度を上げることに寄与します。
さらに、近鉄バッファローズとの合併をするなどして、オリックスバッファローズとなります。このことがプロ野球の再編問題につながり、大きく報道されるようになったのです。批判を浴びるなどの悪い面があったとしても、このようなことが起こったことによって、オリックスの知名度はさらに高くなっていったといえるでしょう。
リース会社として出発したのですが、その後はリース以外にも様々な分野へと進出するようになったために、商号をオリエントリースからオリックスに商号を変更します。そして、世界最大の証券取引所であるニューヨーク証券取引所に上場するまでにいたったのです。ニューヨーク証券取引所に上場を果たした企業は、当時の三菱銀行についで日本企業では2番目です。
オリックスグループの傘下にある銀行がオリックス銀行です。オリックス銀行は、もともとは山一証券の子会社で、山一信託銀行として設立されます。山一証券と言えば、当時は証券会社の中でも大手と呼ばれていた会社ですが、この山一証券が自主廃業を行います。このときにオリックスグループへと譲渡されたのです。その後は、オリックス信託銀行として経営を行っていましたが、社名を変更し、オリックス銀行となります。
ほかの銀行の多くが消費者金融業界へ参入するのと同じように、やはりオリックス銀行もカードローン事業を提供するようになるのです。カードローンのサービスを提供し始めたのは2012年のことです。その特徴としては、銀行の強みを生かしたものとなってきます。ほかのカードローンよりも優れた点が多くあるのです。(参考ページはこちら→消費者金融に比べて銀行融資にはどんな強みが?)
まず金利についてですが、年率にして3%から17.8%となっています。かなりの幅があるのですが、3%という年率は業界でも最低水準だといえるでしょう。そして、利用限度額は最大で800万円です。多くの資金を借りたいと思っている人にとってのメリットは大きいと考えられます。(参考ページはこちら→満額まで借りる事って本当に出来るの?)
金利には大きな幅があるのですが、これは利用限度額によって異なっていて、審査によって決まります。具体的には、借入限度額が100万円未満なら、年率にして12%から17.8%と、最も金利は高くなっています。借入限度額が大きくなるにつれて金利は下がっていき、たとえば、借入限度額が300万円なら、6%から12.8%となっています。そして、借入限度額が800万円の場合には、3%から4.8%です。
借入限度額は最大で800万円となっていますが、必ずしもすべての人が800万円を借りられるわけではありません。審査によって借入限度額が決まりますから、返済能力が低いと見なされた人はあまり借りることができない場合もあります。たとえば、実際には数十万円くらいしか借りることのできない人もいるのです。しかし、それでも銀行のカードローンであるという点で強みはあります。
お金をたくさん借りたい人の多くが消費者金融を選ばずに銀行を選んでいるのですが、その理由は法律によって借入限度額が制限されていることにあります。これが総量規制があることによって借入限度額は制限されているという点に注意しておかなければなりません。銀行に対しては総量規制はかかってきませんから、少なくとも法律の面では銀行の方が多く借りられる可能性があると考えられるのです。
このようなことから銀行から借り入れをしたいと考える人は多くいるのですが、その実質的な部分は消費者金融などの貸金業者が担っていると考えられます。いわゆる保証業務と言われる部分を貸金業者に依頼してカードローンのサービスが展開されているのです。
オリックスクレジットか、新生フィナンシャルかのどちらかが保証会社となります。オリックスクレジットは日本の消費者金融で、現在はオリックスの完全子会社となっています。社名に「クレジット」という言葉が入っているために、クレジットカード会社と間違えられやすいのですが、その主力はカードローン事業です。貸金業者として登録をして営業をしていて、独自にサービスも展開しています。
たとえば、オリックスVIPカードは主力商品の一つです。貸金業者としては専業系に分類されることが多いですが、専業系の多くが店舗展開を行っているのに対して、オリックスクレジットは郵送やインターネットを通じて手続きを行うことに特化しているという点で異なっています。いわゆるダイレクトマーケティングという手法です。
店舗を持たないと言うことですが、現金のやりとりは銀行などATMを用います。このようにすることによって、運営コストを大幅に引き下げることができます。店舗を持たないことや、他の面でも経営を効率化できるために、コストが低く、そのために金利を低く設定できるというメリットがあるのです。
以前にグレーゾーン金利が問題となったことがあり、これによって業界の再編が起こったこともあったのですが、幸いなことにこの影響は小さかったようです。もともと低金利で貸付を行っていたために、グレーゾーン金利とは関係がなかったのです。その時点では良いことだったのですが、グレーゾーン金利が撤廃されたことによって他社との差別化は難しくなってきたといえるでしょう。
また、優良顧客に対して大口の融資を行うなどのサービスも展開していますが、総量規制の影響もあってこれも難しくなってきています。このようなこともあって、銀行の債務保証の業務で融資金額を高めていこうという狙いがあると考えられるのです。銀行側にとっては、オリックスクレジットを使うことには一定のメリットがあるのですが、もともと信用力が低すぎない人を対象としていたというデメリットもあります。
オリックスクレジットの顧客層は、どちらかというと信用力が高めの人が多かったと考えられます。他社にくらべると優良顧客が多かったと言えるでしょう。銀行がカードローンの顧客を拡大していこうと思ったときには、もちろんですが信用力の低い人も対象としなければなりません。このようなことから、オリックスクレジット以外の保証会社を使うようになりました。
現在も使っている保証会社が新生フィナンシャルです。新生フィナンシャルは、名前からもわかるように新生銀行の子会社です。かつてはレイクという名前で貸金業を営んでいました。大手の一角と数えられたレイクが新生銀行に買収され、レイクという社名は新生銀行のカードローンのブランドメイトなり、社名を新生フィナンシャルと変更したのです。
レイクは、オリックスクレジットとは異なり、どちらかというと信用力の低い人を対象として貸金業を行っていましたから、このような層については新生フィナンシャルが保証業務を行います。つまり、カードローンに申し込みをしたときには、まずオリックスクレジットの審査を受け、それで通らなければ新生フィナンシャルの審査を受けるという形になっています。この両方に落ちれば審査落ちとなるのです。
オリックス銀行はこのようにして顧客層を拡大しています。