消費者金融は、銀行でお金を借りられない人でも貸してくれるという印象がありませんか？しかし、条件を満たさなければ断られるケースもあるのです。ここでは、どんな人が消費者金融で断られるのかを見ていきましょう。

消費者金融の審査
消費者金融では、お金を貸すかどうかを判断するための与信審査というものがあります。融資を申し込む人の他の消費者金融業者の利用状況やクレジットカードのローンによる借り入れを調べるのです。指定信用情報機関であるCICとJICCを調べなくてはなりません。消費者金融に限らず、信販会社もクレジットカード会社も、必ず与信審査の際にこのCICとJICCの信用情報を審査することは法律で義務づけられているのです。

消費者金融で断られる融資
大手消費者金融業者であるプロミスの、ある年の1年間での融資成約率は58％だったそうです。つまり、42％の人は、融資してもらえなかったということです。消費者金融でお金を借りるというアクションは、普通の人にとってはそれなりに勇気のいることですが、そこで断られると「自分は消費者金融にお金を貸してもらえないほど信用されないのか」と大きなショックを受けるでしょう。しかし、この数字を見てもわかる通り、消費者金融に断られるというのは、そんなに珍しいことではないのです。

消費者金融で断られる理由
お金を貸すことを商売にしていながら、どうして融資を断るのでしょうか。多くの場合、なぜ断られたのかと尋ねても教えてもらえません。融資の審査はコンピューターで行ない、リスクのある融資先かどうかのデータを導きだしているわけですが、どのポイントが引っかかって審査に合格できなかったのかという決定的なポイントが担当者にも計りかねるということもあるでしょう。他の消費者金融での利用が多い場合は、それが原因だと言われることもあるようです。

絶対に消費者金融で断られる人
まず絶対に無理なのが、職に就いていない ケース。専業主婦である場合は、配偶者に収入があれば問題ありませんが、夫が無職である場合は100%お金は貸してもらえません。なぜなら、収入のあてのない人にお金を貸しても返ってくる保障がないからです。また、家出している場合も断られます。当然お金を貸す相手の身元確認は行なわれますので、家出状態であることを隠したとしても、家族に在住状況の確認が行なわれるのでそこから家出状態であることを知られることがよくあるようです。申込内容に虚偽の記載があることが発覚するとお金は貸してもらえません。また、電話料金の未払いなどで電話が止められていたりすると、審査は通りません。

消費者金融で断られる可能性が高い人
いわゆるブラックリストの人、他の消費者金融での借り入れ件数が多い場合、他の消費者金融業者での借り入れを延滞中の場合、短期間に他社への融資申し込みを複数券行なっている暴力団関係者などは与信審査の結果、却下されることが多いでしょう。また、仕事をしていても、会社に在籍確認が行なわれたときに無断欠勤を続けていたことが発覚したりすると断れる可能性があります。また、他の消費者金融業者に務めている場合も貸してもらえません。

ブラックリストとはなにか
「ブラックリスト」という言葉を聞いたことがありませんか？　しかし、実際にそのようなリストは存在するのでしょうか。消費者金融業者は、与信審査を行なう際に信用情報機関を通じて融資相手の状況を確認します。この機関には、別の消費者金融業者やクレジットカードでの過去の取引状況が掲載されているので、以前消費者金融業者に融資をしてもらったが返済できなかった場合は、事故情報として掲載されていまいます。俗にいうブラックリストとは、この事故情報のことなのです。信用情報機関に事故として記録されていると、消費者金融業者やクレジットカード会社、ローンの審査などには通らなくなります。

ブラックリストに載ったら一生消えないの？
そんなことはありません。ただし、他の消費者金融で行なった借り入れの返済を延滞しつづけている場合は、ずっと記録されています。返済した場合は、延滞を解消した日から1年以内の日数は記録されていますが、それ以降は事故情報から消されます。債権回収や破産申立、強制解約などなんらかの債務整理行為が行なわれた場合は、借り入れの発生から5年以内は事項情報が残されています。1日、2日延滞したからといってすぐにブラックリストになってしまうわけではありません。3ヵ月以上返済が遅れている場合に「延滞」とみなされます。このように、金融機関で借り入れをしたらからといってブラックリストに載るわけではありませんので、安心してください。きちんと利用して、延滞なく返済できれば事項情報になるようなことはありません。

審査の結果、消費者金融に断られる属性
100％審査に通らない、もしくは高確率で審査に落ちる、上に挙げた以外でも却下されることはあります。本人ではなくとも、同居している家族が他の消費者金融業者と過去に取り引きがあり、延滞しているといった場合も審査ではじかれる可能性があります。そのほか、就職したばかりで日が浅い、あまりにも短い期間で退職した経歴が複数ある、一人暮らしで年収と家賃が見合っていないといった場合は、返済の信用が低いとみなされ、落とされることがあります。また、収入が不安定な業種や連絡が取りにくい職種なども敬遠されがちです。統計的にもこういった業種の人は長期延滞しがちであることが実証されており、延滞の場合の督促に困難が出るためです。消費者金融業者によっては、「融資しない業種」を決めているケースもあるようです。

どんな属性が信用されるのか
たとえば、公務員や上場企業の正社員などで、勤続年数が10年以上、年収500万以上、自宅や携帯電話、それ以外にも連絡先がはっきりしている、社会保険や組合の保険に入っている、持ち家があるなどが、高い属性といえます。ノーマルなランクと見なされるのは、一般企業の会社員で、勤続年数3年以上、年収300万以上、連絡先が自宅と携帯電話の両方がある、社会保険に入っている、家族の持ち家に住んでいるもしくは賃貸住宅、これらは普通の属性といえます。属性が低いとみなされるのは、農業・漁業や自営業、風俗などの場合。勤続年数が1年以下で年収が100万に満たない、連絡先は携帯電話しかない、国民健康保険もしくは国保にも未加入、寮暮らしや職場に住み込みである場合は、与信審査を通過しにくい属性であることを覚悟しておきましょう。

借り入れ可能かどうか調べよう
消費者金融業者が一番重要視するのは、他社での利用件数です。許容範囲となる件数の枠はどの業者でも設けていますので、1件でも他社で利用したらアウトということはありません。申し込みを検討している消費者金融業者の許容件数などの情報を事前に入手して、自分が借り入れできるかどうかを調べておきましょう。許容件数にひっかかりさえしなければ、低い属性にあたる方でも、大手消費者金融などなら審査に通る場合もあります。1つの消費者金融ではじかれたからといって、あきらめることはありません。収入を証明する書類などを提出することで、信用してもらえる場合もあります。

自分の状況を認識
消費者金融で融資が受けられない方の多くの場合は、他の消費者金融業者での借り入れ件数が問題となるケースです。心当たりのある方は、返済のために融資先を探す前に、ご自身の収入と、現在の月々の返済と生活費の釣り合いを確認しましょう。赤字になっていませんか？　利息しか入金できていないというような状況は、明らかに債務超過です。収入を増やすために仕事を増やすか、融資を受けている業者に返済を減らす交渉をするなどの対応を試みましょう。どれも手詰まりというときは、特定調停や自己破産など、法的な手段を講じて債務整理をすることも必要かもしれません。