「ブラック」とは、一般的に消費者金融などの審査に通過しにくいネガティブ情報を、信用情報の中に持っている人ということになります。審査に通りにくい人は通りにくい原因があります。なぜ通りにくいのかを考えてみましょう。

まずどんな営業方針の業者でも、ほぼ審査に通ることがないであろうというネガティブ情報についてです。法律を厳守すると契約を行うことができないというケースです。

申し込み要件には年齢制限が設けられていますが、18歳未満は親の同意があっても借金の契約を結ぶことができません。18歳以上20歳未満は成年擬制適用でない限り、一部の学生専用キャッシング以外では、単独での契約はできません。これは法律に基づいています。申し込み要件の年齢制限が各社ほぼ20歳以上となっていますので、そういった業者では20歳未満は借入はできないと考えたほうがいいでしょう。

年収の3分の1を超える借金を貸金業者から行っている人。今回借りたら超えてしまう人。これらは正規の消費者金融では審査はまず通りません。これは総量規制という法律に基づいているもので、これに反して貸付を行った場合には、その業者が刑事罰や行政処分の対象となってしまうからです。健全な経営に心がけるのであれば、この法律は厳守します。もしすでに借りている金額が総量規制の範囲を超えているために審査が通らないといった心あたりがある人は、とにかく今の債務を減らすか、総量規制対象外の銀行に借り換えるなどを行わない限り、貸金業者から借り入れることはできません。

専業主婦や無職の人も、単独では契約することができません。年収がそもそもないのですから、年収の3分の1の範囲というのもありません。となれば借り入れ可能額がそもそもないということになります。そういった理由から、専業主婦や無職では、絶対に単独では利用できないとうことになるのです。

また自分自身を証明する材料がないという人は、どの貸金業者であっても借りれないと考えたほうが賢明です。犯罪収益移転防止法が施行され、それにともなって金融機関は本人確認法を厳守しなければならなくなりました。取引を行う際には、公的な書類や証明書によって、本人確認を行うことが義務付けられたのです。例えば身元確認が比較的緩やかな日雇い等によって収入を得ていたとしても、本人確認が出来る公的な書類や証明書がなければ契約ができないのです。どういったものが確認書類となり得るのかは法によって示されていますので、各業者それに準じていると考えられます。それらに該当する書類を持たなければ、借入は難しいでしょう。

これらはどんなにブラックに甘いとされている貸金業者であっても、貸し付けはしないであろう理由です。次は貸金業者の営業方針によっては審査が通る可能性がある理由についてです。

多重債務と言われるのは、3件を越える借入がある人を、一般的に指しています。4件目からの借入は、大変難しくなる傾向にあります。これは多重債務者を増やさないために、4件目に該当する貸金業者は貸し付けを自粛するという3社協定に基づいています。法律ではなく、大手消費者金融の3社が結んだ協定です。確かに4社以上の借入を抱えるようになれば、債務事故を起こす可能性も高くなります。よってそれに倣う業者も増えました。しかし法的な拘束力はないので、4社5社でも貸付を行う業者はあります。中小の貸金業者の中に、そのような業者は存在しています。

しかしその場合には、現時点で滞納や延滞といった債務事故を起こしていないことが前提です。もしその事実があれば、回収自体が難しいことは明白です。貸し付けは行わないでしょう。

一度に複数社申し込みを行ったことによって審査が通りにくくなる申込ブラックについては、それでも審査を進めてくれる業者はあります。ただし一度に申し込みを複数行っているということで、かなり金銭的に困窮しているのではと勘ぐられてしまいます。審査に通してくれる業者であっても、大きな金額は期待できないかもしれません。この申し込みの履歴は6ヶ月ほどで信用情報機関の情報から消えますので、それを気長に待つというのが順当です。

過去に債務事故を起こして人については、現在解決しているのであれば、積極的に貸付を行う業者はあります。グレーゾーン金利撤廃や総量規制施行から、消費者金融も生き残りをかけて、経営方針を大幅に変革させなければならなくなりました。大手は銀行との提携によって手堅い新規顧客の獲得を目指し、中小の貸金業者は過去を問わないという方向にシフトしていったのです。一般的に「ブラックでも利用出来る審査の甘い貸金業者」といえば、「過去の債務事故について問わず、現在の状況を重視する貸金業者」を指しています。

過去に債務事故を起こし、自己破産などの債務整理を行った人に貸付を行ってはいけないという法律はありません。とはいえ一度失敗して人は何度も失敗するであろうと考えるのが大手の業者です。そんな回収リスクのある人をわざわざ顧客にしなくても、スーパーホワイトの顧客をつかむ努力をした方がいいと考えます。しかし中小の貸金業者は、そのフィールドで競争することはできません。そこで「自己破産を行って免責決定まで降りているのであれば、その時が最も回収リスクの少ないスーパーホワイト」といった経営方針で営業を行うようになっています。破産者に対して積極的に貸付を行うのは、そのためです。

ただしここで勘違いしてはいけないのは、過去に対して審査が甘いだけで、現状については大変シビアに審査を行います。そういう業者に対して「あれやこれや訊かれたのに、結局否決だった」と不満の声もでていますが、何かしらの不安材料が現状においてあったとうことでしょう。職場や年収への審査もシビアですし、保証人を要求されることもあります。本人確認書類についても免許証や住民票に加え、年金手帳の写しまで求められることがあります。融資実行についても、即日融資は難しく、貸付金額も小口の傾向にあります。

こういった業者にもネットと電話、郵送だけのやり取りで貸付を行う広域のものと、対面して審査を行う地域密着型があります。融資実行までの期間が短いのは地域密着型で対面審査の業者です。他社借入名があると契約しないなど、審査に落ちやすいのもこういった業者ですが、後々の増額があるのもコチラのスタイルです。ネットや電話、郵送のやり取りで全国展開を行っている業者は比較的審査が甘めですが、増額などにはシビアです。

福岡のブラックでも利用出来る消費者金融は、主に地域密着型で、対面審査を行う業者が多いようです。システィマティックな審査に加え、担当者の対面したときの印象も大きく影響します。利用者の住まいが営業地域内でなければ受付もしないという方針で、現時点で全く借入がないことを原則としています。保証人を要求されることもありますが、3月や9月などの決算時期になると、保証人はいらないからとアプローチをしてくれることもあります。

これ以上債務を増やすことなく滞り無く返済していると、この決算時期に増額のインビテーションが届きます。返済方法が10回払いや20回払いといった月々定額を支払って完済を目指す方法ですから、「借り換え」で、前の債務を相殺する形で増額を行います。件数が増えていたり、状況が変わっていることを申告していないなどがあると、増額も見送りになります。

このような業者の傾向として、利用者のタイミングでは増額をしてくれません。利用者が自分から増額をお願いしても、大概は否決されてしまいます。相手からの年2回ほど来る増額のお知らせを待つしかないというところです。最初の「お金がどうしても必要だ」というときには大変心強いのですが、その後は業者本位でしか利用できませんので、あまりアテにならないという感想もあります。必要がないときには増額をあえてせず、一度完済してしまうのもいいかもしれません。