よくキャッシングを利用する友人から、銀行系のキャッシングの審査は厳しく、消費者金融系のキャッシングの審査は少し甘いと聞くのですが、両社の使っている信用情報機関は違うのでしょうか?
銀行と消費者金融ではなく、信用機関毎に加盟する会社が違います
まず個人信用情報とは何かというところからご説明しますと、個人信用情報という文言は消費者金融会社でお金の借り入れの申込みする際に目にする「信用情報機関への登録と同意」に出てきます。ここでいう信用情報というのはキャッシング申し込み者の「氏名・生年月日・自宅番号・勤務先」といった個人情報や「他社での残高・返済回数・契約商品」といった過去に借り入れをした際の情報のことを指します。こういった信用情報が信用情報機関に保管されているのです。よって初めて消費者金融会社を利用する方の情報は登録されていません。
さらにその個人情報を保管している信用情報機関というのは、先ほど申し上げたように、「個人の信用」がひと目でわかるような信用情報を会員になっているクレジット会社やカードローン会社から収集して一元管理し、その情報を会員になっている会社に対して提供することにより、消費者とその会員会社との信用取引を裏から支える仕事を行う機関となります。
さてここで銀行と消費者金融会社が利用する信用情報機関は違うのかという質問に対する答えですが、信用情報機関には、色々な種類の情報を取り扱う機関が複数ありますが、すべての銀行や組合、そして消費者金融会社が、同じ信用情報機関に加盟しているということはなく、それぞれの情報機関毎に加盟している企業も違っています。ちなみにそれぞれの金融機関がどこの信用情報機関に加盟しているのかは、申し込み時の規約、規定にある「個人信用情報機関への登録・利用」などの条項に、どの信用情報機関に加盟しており、どの信用情報機関に登録されるのかが詳細に記載されています。
最後にどのような信用機関があるのかを順番に紹介いたします。(参考ページはこちら→信用情報機関についてさらに詳しく)
1、銀行系の信用情報機関である、全国銀行個人信用情報センター
主として貸金業者を対象とした個人信用情報機関。会員しか利用できず、その会員には銀行や信用組合、信用金庫、農業共同組合、銀行系カード会社、銀行系信用保証会社といった銀行の関連会社になります。よって消費者金融会社は会員になれません。
2、クレジットカード及び信販系の信用情報機関である、株式会社シー・アイ・シー
主として割賦販売といったクレジット事業を生業とする企業を対象とした個人信用情報機関で日本クレジット産業協会や全国信販協会、日本信用情報センターが1984年9月に設立。その会員には先の三者いずれかの会員企業でないと加盟できません。
3、クレジットカード及び消費者金融の信用情報機関である株式会社シーシービー
ここは消費者と与信業者に対する利益を目的として、消費者が持つ信用力を高める“クレジットヒストリーの構築”を目的に設立された“全業種横断型”の個人信用情報機関です。1979年8月に銀行系や流通系、信販系のカード会社である33社が共同で設立した信用情報機関となります。会員の対象は他の信用情報機関ほど制限されておらず、入会の窓口は広くなっています。
その他にも銀行及び消費者金融の信用情報機関である株式会社テラネットや消費者金融系 の信用情報機関である全国信用情報センター連合会といった信用機関もあります。
【参考ページ】
各金融業者の違い
銀行と消費者金融の審査に使う信用情報とは
みなさんは金融機関からお金を借りた経験はありませんでしょうか。世の中にはさまざまな融資があり、大きなものでは事業性の会社に対する融資、これもたくさんの種類があり、単純に金融機関が独自の審査によって貸し出し利率を決定するものや、信用保証協会の制度を利用する融資、これは最近不況の影響で金融機関がリスクを負うことを嫌がったために爆発的に増えました。(参考ページはこちら→金融業者は数えきれないほど存在)
特にセーフティーネットといわれる最近の業績落ち込んでいる会社に対する融資を行うことが出来る制度については個人事業主から小規模の会社までほぼすべてが条件に当てはまってしまう状況であり、金融機関側としても業績が落ち込んでいる会社に対する融資はリスクが大きくできれば自分たちの全責任で行うことを嫌ったために、かなりの申し込みがあったようです。このような制度が定められて一定の条件に当てはまる場合にのみ使用できる融資などもたくさんあるのです。
(⇒個人事業主のお金の借り方)
また、個人向けの融資もまたさまざまです。住宅ローン一つとってみても、銀行から直接貸し出しをうける住宅ローンもあれば、住宅金融支援機構が行っているフラット35、これも最近テレビコマーシャルなどでよく見かけるようになりましたが、これは金融機関を経由して申込書を住宅金融支援機構に送付し、実際の資金はそこから金融機関を経由して個人の口座に振り込まれる仕組みとなっています。
また、この特徴は全期間固定金利型の住宅ローンであり、申し込みの段階からすべての返済計画がわかってしまうものになります。ものによっては段階金利と言って5年後、10年後から金利の変更がある場合もあるのですが、それに関しても変更後の金利も申し込み段階で定められている状態ですので、返済計画が立てられることにかわりはありません。ですから個人としても先行きの見通しが立てやすく、また近年長期金利が下がっていることからかつてないほどの低金利でこれらの融資を受けられることも手伝って、かなり利用者が増えているようです。
さらに、このフラット35には建物の造りによってはさらに金利の優遇が受けられるフラット35sという商品も展開されているため、新築住宅などを購入する方はこの融資を利用されている方も多いようです。当面この傾向は続いていくのではないでしょうか。
もちろん住宅ローンだけではありません。車の購入や結婚式、進学のための学費など、さまざまなシーンで大金が必要となるケースもありますので、それらの際にはその用途に応じた融資を金融機関から受けることになるわけです。
また、用途が決まっていない場合でも、カードローンやフリーローン、そしてキャッシングや消費者金融などの利用によって単純に生活費に使いたい、遊行費に使いたい、といったニーズにもこたえることができる融資も存在しています。
そして、それらすべての融資に共通して言えることが、審査があることです。誰でも構わずお金を貸してしまっていては、おそらく金融機関は存在しえないものになっていることでしょう。この方にはこの金額であれば問題なく返済してもらうことが出来る、ということを判断したうえで、出来る限りリスクと利息によるリターンを計算して損の無いように審査を行って貸し出し金額を決めるのが金融機関の審査部門なのです。
それらの審査に関しては、基本的には申込人が提出する書類によって行われます、これは申込書や源泉徴収票、戸籍や住民票といったものまで融資制度によって異なりますが金額が大きければ大きいほど、たくさんの書類を提出することになります。もちろん年収が高ければ高いほど生活費を除いた後の返済可能額も大きくなるはずですので、たくさんお金を貸してもある程度安心であるということが出来ますし、勤務先が公務員のような安定した職業であれば、将来職を突然失ってしまうリスクや、突然給与が減額になってしまうリスクをそれほど考える必要はありませんので安心してお金を貸し出すことができます。家族構成でご両親が大企業の役員の方だったりしたならば、何か不測の事態があった場合に援助してくれる可能性もあることでしょう、それらたくさんの事柄をさまざまな方向から考えながら、金融機関の審査というものは行われているのです。
しかし、それら申込人の提出した書類以外からも実は金融機関は審査を行っています。それは、銀行でも消費者金融でも基本的には同じ情報を共有してお互いのリスク回避のために使用しているものなのですが、これを個人信用情報と言います。
(⇒信用情報が悪い状態をどう呼ぶ?)
これは一体何かと言いますと、過去の金融事故歴が掲載されているものであり、専門の機関が作成して金融機関の審査部門のみに開示されているものになります。ですから、支店の窓口に行ってもそれを見ることはできませんし、そこで働いている方々も審査部門から異動してきた方以外はそれを見たことすらないのです。それだけ他に公開してはならない大事な情報がそこに掲載されている、というように考えていただいてよいでしょう。
また、これらの情報を使用していることから、もし仮に審査に落ちてもその理由を教えてもらうことはできません。総合的に判断して否決、というような決められた定型文がただ記載されているだけですので、金融機関の担当者もそれについては一切答えることはありません。といいますか、それについても担当者はまったくわからないのです。
これらの個人信用情報に掲載されるのは、過去の金融事故歴などと言われています。昔作った借金で、返済することが出来ずに何か月も延滞していた、などといった情報や、もっと大変な事態になると、借金が返済できなくなってしまったために、個人整理や民事再生、自己破産を行った経験がある、などなどの情報がそこには掲載されており、要は審査においてマイナスポイントとなる点が書かれているのです。借りたお金をきちんと返済することはある意味当たり前のことなのですから、きちんと返済していた、というような文は掲載されません。あくまでこの人は貸し出しを行う時には気を付けたほうが良い、という点についてのみ記載があるのです。
よって、もしこの個人信用情報に自分の情報が掲載されていると思ったならば、金融機関で融資を受ける際にはかなりいばらの道を通らなければならないと思ったほうがよいでしょう。
また、先ほどの例に挙げた個人整理、民事再生、自己破産などの経験がある方は、最長で一番重い自己破産のケースで10年間、新たな融資を組むことは一切できないと思ってください。どこの金融機関に融資を申し込んでも同じ回答が返ってくることでしょう。
ちなみに、過去の犯罪歴などはそこには掲載されていませんので、その点については少なくとも金融機関の融資においては考える必要はありません。
このように、金融機関はみなさん申込人の方々を、非常にシビアな目で審査しています。それは銀行であろうと消費者金融であろうと同じ事であり、少しでも貸し倒れのリスクがある方にお金を貸し出すことは躊躇せざるを得ないことなのです。それは金融機関が慈善事業でお金を貸し出しているわけではないからこそ通らなければならないものであると言えるでしょう。
ですから、みなさんはこれらの個人信用情報に自分のことが掲載されないように、細心の注意を払って借入金の金額と返済計画について考えなければなりません。もしそれが自分の見込みと違ったり、不測の事態があったりして焦げ付いてしまった時には、あとで後悔するのは皆さん自身なのです。ですから、借金を軽く考えずにお金を借りることは重い行為なのだということを把握したうえで申し込みを行いましょう。
金融機関からの融資は使い方次第ではみなさんの強力な手助けになってくれます。その手助けを自らの手で切ってしまうことの無いように、計画的に利用して、返済を滞りなく済ませましょう。