毎日の生活では、食費や光熱費、交際費や交通費など様々な面でお金が必要です。また、これらの日常的な出費に加え、突然の冠婚葬祭などで、予定外にお金を用意しなければならない場合もあるでしょう。

貯金がある人は、このようなイレギュラーな事態にも対応することができますが、そうでない人の場合、まとまったお金を急に用意するのは自分の力では限界があるので、誰かにお金を借りなければなりません。

家族や友人に借りるあてがあればよいのですが、金銭のやりとりはお互いにあまり気持ちのよいものではないでしょう。また、自分がお金に困っていることが周囲に広まってしまう可能性もあります。そこで役立つのが消費者金融です。

消費者金融で融資を受ければ、周囲に気を遣うこともなく利用限度額の範囲であれば、必用な分のお金を借りることができます。さらに、最近では即日融資に対応しているところも増えており、審査にかかる時間は最短30分と、申込から借り入れまで非常にスピーディーなのも魅力です。

しかし借入を希望して申し込んだものの、審査に落ちてしまいお金を借りることができなかった、というケースも珍しくありません。お金を貸すことは金融機関の仕事の１つなのに、なぜ融資を希望している人全てにお金を貸してくれないのでしょうか。

金融機関が審査を実施し、申込者を選別している理由は、貸し倒れのリスクを低減するためです。仮に審査を行わず、申込をした人全てに無条件でお金を貸したとします。大抵の人はきちんと返済期日までにお金を返してくれるでしょう。しかし中には返済が滞ってしまう人がいるかもしれません。もし実際にそのような人があらわれて、そのまま借りたお金を返してもらえずに踏み倒されてしまったら、金融機関は非常に大きなリスクを被ることになってしまいます。したがって、このような事態を避けるために審査が行われるのです。

審査の段階で返済能力に乏しいと判断された人は、残念ながら落とされてしまいお金を借りることはできません。しかし、どのような理由で審査に落ちてしまったのかは、申込者には知らされません。そのため「何度申し込みをしても、審査に落ちてしまう。」「なぜ落ちるのか分からない」という人も珍しくありません。では、審査の結果はどのような判断基準によって決められているのでしょうか。

審査に落ちてしまう理由は人によって異なりますが、一般的な原因は大きく７つに分けられます。まず１つめは借り過ぎです。既に他社から自分の年収の3分の１を上回る借り入れがある場合や、4社以上から借り入れがある場合、審査に落ちる原因となってしまいます。当てはまる場合、おまとめローンなどを活用して借入先を減らすことや、少しずつでも借金を返済して借入額を減らすなどの対策をする必要があるでしょう。

続いて2つめは、勤続年数が短すぎるケースです。審査を行う上で重要なポイントとなるのは、基本的に「返済能力の有無」です。そのため、「職場での勤続年数が長く、安定した収入を継続的に得ることができる人」が審査を受ける上では有利になります。年収は人並みでも勤続年数が長く、安定して働いている人は、年収が平均以上、しかし勤続年数が短く短期間にいくつもの職場を転々としている人よりも評価がよいのです。よって審査に通るためには、勤続年数は最低でも半年、可能であれば1年あった方が安心でしょう。

3つめは、支払いの遅延や延滞などの金融事故を起こしているケースです。中でも過去3ヵ月以内に遅延や延滞をしている場合、審査に通る確率は非常に低くなってしまうので注意が必要です。携帯電話の利用料金や光熱費などの滞納もチェックされるので気をつけましょう。

4つめは連続申し込みです。「自分は勤続年数も長いし、どこからもお金を借りていないし、延滞や遅延もしていない。なのに審査に通らない」という上記３つにあてはまらない人は、この連続申し込みという落とし穴にはまっているケースがあります。

連続申し込みは通称申込ブラックと呼ばれ、短期間に複数の金融機関へ審査の申し込みをした人のことを意味します。具体的には1ヵ月の間に3社以上の金融機関へ申し込みをすると、申込ブラックと判断されてしまいます。短期間に何度も申し込みをすると、審査の担当者から「この人は短い間に何度も申し込みをしているな。よほどお金に困っているのか」というマイナスのイメージを与えてしまいます。さらに、申込ブラックになると申込情報が信用機関に登録されてしまいます。この情報が登録されている間は、新たに融資の申し込みをしても審査に落ちてしまうケースがほとんどです。

つまり信用機関に申込情報が登録される期間は最大で6カ月なので、その間はお金を借りることができなくなってしまうというわけです。早急にお金が必要で焦っている人ほど、「たくさん申し込んだ方が審査に通る確率もあがるだろう」と一度にたくさん申し込んでしまいがちです。しかし1度申し込みブラックとして登録されれば、半年間は融資が受けられないのです。よって、急いでいる時ほど慎重に、自分が審査に通ることができそうな金融機関を選ぶ必要があるといえます。また、3つ全ての審査に落ちてしまった時は、すぐに申し込むのではなく一定の期間をあけてから、再度申し込むようにしましょう。

続いて５つめのスーパーホワイトも、4つめと同様に「これまでお金を借りたこともないし、延滞したこともない」という人に多いケースです。スーパーホワイトとは、過去にローンカードやクレジットカードなどを作ったことのない人をさします。スーパーホワイトの人がお金を借りるためには、利用実績が必要です。商品の代金を分割払いで支払ったり、比較的審査の通りやすいクレジットカードを新たに発行することで対策が可能です。

６つめは希望する利用限度額が大きすぎるケースです。自分の年収の3分の１を超える金額を記入すると、審査に落ちる原因となるので注意が必要です。利用限度額は後々利用実績等に応じて変更することも可能なので、まずは自分の収入に見合った金額を設定するようにしましょう。

そして最後の7つめは、申込書に不備があるケースです。審査の申し込みをする際、申込者は自分の氏名や住所、勤務先や年収、勤続年数、現在の借入状況などの基本情報を記入した申込用紙を提出します。この申込書の記入ミスや添付書類の不備が原因で審査に落ちてしまう人も少なくないのです。

また、自分の借入額を記入する際に、実際の金額よりも明らかに少ない金額を記入したり、勤務先の欄に実際は勤めていない大手企業の名前を書いたり、勤続年数を多めに書くなど、事実とは異なる嘘の情報を記入するケースも審査に落ちてしまう原因となるので注意が必要です。少しでも審査に通りやすくしたい、という一心で嘘の情報を記入しても、審査の担当者にはすぐにばれてしまうのです。それだけでなく、嘘をつくことで信頼度も下がりマイナスの印象を与えてしまうことになりかねません。よって、申込書は見栄をはらず、正直な情報を記入するようにしましょう。

この他にも、審査に落ちてしまう理由には様々な原因が考えられます。もし自分に当てはまるものがあった場合、それを対策してから申し込みをしなければ審査に通るのは難しいでしょう。ただし審査の基準は各金融機関によって異なるため、1度審査に落ちてしまったからといって「自分はどこに申し込んでもダメなのだ」と落ち込む必要はありません。他の金融機関の審査には通るケースもあるので、諦めない気持ちも大切です。

ただし諦めないといっても、やみくもに申し込みをするのは危険です。インターネットで利用者の口コミをみれば、各金融機関の実施している審査のだいたいの特徴をつかむことができます。それを参考にして、自分の通りそうな金融機関を選んで申し込みをするようにしましょう。