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銀行と消費者金融との関係を教えてください

テレビや雑誌で見かける消費者融の広告宣伝で、よく銀行系の○○などと出てきますが、銀行と消費者金融とはいったいどのような関係なのでしょうか、ぜひ教えてください。

銀行と消費者金融会社との関係はだんだん強くなっています

消費者金融会社において、大手といわれているのはアイフル・アコム・プロミスの3社になりますが、その中でアイフルのみが独立系のままですが、アコムは2008年12月に三菱UFJ銀行の子会社へ、プロミスは。2012年4に三井住友銀行の子会社へとなっています。

なぜこのように銀行が消費者金融業界に参入していくのかということですが、消費者金融会社がかなり利益を出していたころ、その利益率の良さに注目した銀行は、大手の銀行を中心に、消費者金融業界への参入を目論んでいました。
(⇒現代の金融業者の形態

しかしすでにその頃には、各消費者金融専業会社において、無人で貸し付けが可能な自動契約機の導入や即日融資、さらに自動審査のサービスを実施するなどもう銀行のノウハウでは到底追いつかないレベルのサービスまで、システムを進化させていました。

そこで銀行は窮余の策として、絶対的な知名度と多大な資金力をもって、大手消費者金融専業会社のノウハウを使って貸し付けを行えるようにその大手消費者金融専業会社と合同にて新会社を作ることを検討したのです。

一方の消費者金融専業会社の方でも著しい成長を見せたものの市場がだんだんは頭打ちの状態となってきたため、銀行の持っている顧客情報を使って、さらなる消費者金融としての新規顧客の取り込み、さらに銀行と提携することで資金繰りもよくなるのではと考えました。

そのようなお互いの思惑の中で合同の会社が生まれ、現在はお互いの長所を生かした銀行系の消費者金融会社として運営されています。ただ当初の思惑通りに物事が進んでいるというわけではなく、現に東京三菱キャッシュワンについては業績が芳しくなかったため、逆に提携の相手先であったアコム自体を買収し、消費者金融業務を実質的に統合したという例もあります。

最後に銀行が消費者金融業界に参入するきっかけとしてこのようなこともいわれています。それは金融ビッグバン(1996年から2001年にかけて行われた大規模な金融規制制度改革のこと)が関係していたというものです。

その金融ビッグバンとは、金融業界は当時、法律によっての縛りがきつく日本の経済状況は低迷していました。その低迷していた状況を良くする目的で規制を暖和し、グローバルな視野に立っての経済発展を目的にしたものでした。金融ビッグバンが起きてから、銀行側から消費者金融への参入表明があったのです。それは銀行が企業への貸付を主としていた貸し付けの対象を個人消費者にも広げることを意味することでした。そして現在銀行が消費者金融会社を経営することになったのです。

【参考ページ】
銀行と消費者金融が組むまでの事情

銀行と消費者金融の関係は古くからあります

海外では株式による資金調達が主流な方法として行われていますが、日本では銀行が融資を行うという形で資金調達をすることが多いです。そのため、海外では株主となったファンドが経営に関するアドバイスを行ったり、あるいは経営を改善したりすることが多いのですが、日本では銀行がそれを行ってきたと考えられます。財務面では銀行がコンサルタントのような形で経営に関与してきたのです。

どの企業でもたいていは銀行との関係があります。銀行がなければ取引の決済を行うことができませんから、メインバンクというものはたいていの企業が持っているのです。また、規模が大きくなったときには借入を行うことが必要となるケースもありますが、このようなときにはやはり銀行からの借り入れが必要となるケースも多いです。

このようなことから、あらゆる企業は銀行と関係があると言って良いでしょう。企業だけではなく、個人で事業を行う際にももちろん銀行は必要となります。消費者金融はこのような一般的な企業と銀行との関係よりも深い関係を古くから持っていました。それは消費者金融というビジネスの形態にあります。

消費者金融はお金を貸し付けて、そして返済時に利息を得るというのが基本的な収益構造です。銀行も同じように行っているのですが、銀行の場合には預金者の預けた資金を貸し付けるのが普通です。消費者金融は預金を取り扱うことができませんから、貸し付けるための資金はたいてい銀行から借り入れています。

技能から借り入れて利息を支払い、それを貸し付けて利息を受け取り、その利息の差を利益としているわけです。これが貸金業の基本的なビジネスモデルなのですから、規模を拡大させるためには銀行からの借り入れが必要となり、そのため、少し規模の大きい貸金業者ならつきあいのある銀行との関係はかなり深いと考えられます。

このように、銀行と消費者金融の関係は必要性の高いものだと考えられるのです。ただ、現在ではこのビジネスモデルは少し変化しつつあります。というのも、銀行と消費者禁輸との関係が、単なる融資の関係ではなくなってきたからです。保証業務と言われるビジネスモデルです。

消費者金融は信用力の低い人に貸し付けるだけのノウハウを持っていますから、このノウハウを用いて銀行に対して保証を行います。たとえば、ある人が銀行から借り入れをしたときに、その保証を行うのです。もしもその人が返済できなくなれば、消費者金融が代わりに銀行に返済をするという契約を結んでおけば良いわけです。そして、実際には銀行が自己資金で貸し出し、消費者金融は保証料を手にします。

このようにすることによって、消費者金融は銀行を窓口として顧客を増やすことができるというメリットがあります。銀行としては、信用力の低い人の審査や、返済されなかったときの回収に関するノウハウを持っていませんから、独自にカードローンのサービスなどを展開することは難しいのです。保証を利用することによってカードローンのサービスを提供できるようになり、これが収益源となります。

このようにして、保証を通じて業務提携をすることによって双方がメリットを得られるようになったのですが、これが実現するようになったのには法律の改正も大きく影響しているといえるでしょう。もしも同じ条件で銀行と消費者金融が競争をした場合、ノウハウのない銀行の方が不利なのですから、消費者金融としてはカードローン事業で銀行をしのぐことも可能だと考えられます。

それにもかかわらず銀行と提携している理由は、総量規制が適用されるようになったからだと考えられます。総量規制は貸金業法に定められている規制で、無担保での貸付については収入によって制限がかけられます。つまり、総量規制が導入されたことによって貸し付けることのできる金額は小さくなったのです。これは当然のことながら消費者金融の収益悪化につながります。

総量規制は貸金業法の中の規制の一つですから、消費者金融をはじめとする貸金業者に対してはこの規制が適用されます。しかし、銀行は貸金業法の規制を受けませんから、銀行に対して総量規制は適用されないのです。ですから、銀行がカードローン事業を行えば、貸し付ける金額を大きくすることができ、それによって収益拡大が見込まれます。

消費者金融は、債務保証を行って保証料を得るというモデルで利益を得ることができますから、独自に貸付をするよりも銀行を通じて貸付を行った方が利益の拡大を見込むことができるのです。このようなことから業務提携が進みました。

実際には、業務提携だけではなくて資本提携も進んでいるといえるでしょう。法律の改正や過払い請求によって消費者金融の経営状態が悪化した時期がありました。事実、大手の中には完全に廃業したものもありますし、国の力を借りて再建を進めているものもあります。独立して生き残った大手も、当時は資金繰りが悪化して経営が危ぶまれた時期があるのです。

このような時期に、銀行が株式の取得を通じて資金を投入します。ここで、大手の消費者金融は銀行の子会社となったのです。現在でも、メガバンクのうちの2行は、大手の消費者金融を子会社に抱えていて、自行のカードローンの保証会社として利用しているのです。現在の関係は、単なる取引相手ではなくて、親会社と子会社という関係になっています。

なお、銀行の中には消費者金融とは関係を持たないものもあります。たとえば、メガバンクの一行のみずほ銀行は、消費者金融との提携が経営上のメリットをもたらさないと判断して、消費者金融とは提携を行っていません。みずほ銀行もカードローン事業を展開していますが、消費者金融ではなくて信販会社の保証を利用しています。この点ではほかの銀行とは一線を画しているといえるでしょう。

消費者金融を完全子会社化した銀行もありますし、資本の一部だけを持っている銀行もあります。規模の大きい銀行なら何らかの形で子会社化することは可能でしょう。しかし、それほど規模の大きくない銀行であれば、子会社化するだけの資金は不足していたと考えられます。たとえば地方銀行の多くは消費者金融を子会社とすることはできなかったと考えられます。

地方銀行はカードローンのサービスを提供していますが、この場合にもやはり消費者金融を保証会社として用いています。この場合には資本提携はありませんから、業務提携にしか過ぎません。ただ、やはり長年のつきあいのあるメガバンクのグループの子会社を用いているケースが多いです。

銀行の株主構成を見れば、数%程度の資本を別の銀行が持っていることもあって、このような形でグループが形成されているとみることもできます。たとえば、MUFGが株式を保有している銀行であれば、MUFGの関連企業ではありませんが、緩い提携関係になるとみることもできるのです。このような銀行の場合、MUFGの子会社であるアコムを保証会社として用いてカードローンを利用しているケースもあります。

銀行と消費者金融は、どちらも個人向けの融資を行うという点では競争関係にあると考えるのが妥当です。しかし、現在のところは競争と言うよりも協力をして金融業界を支えているとも考えられます。資本が注入されていることを考えれば、銀行に吸収されたと言うこともできるでしょうから、全く別の業態のライバルであるとはいえない状況になっています。

元々の関係は、消費者金融が銀行からお金を借りるだけのものだったのですが、現在では変遷を経て現在の用に強固な関係になっています。消費者金融は、現在も独自に融資を行っていますし、新たなサービス展開も行っていますが、やはり銀行を通じたサービスによる収益は拡大していると考えられ、今後も銀行との資本業務提携が進んだ方が提携の効果は高くなると考えられるのです。

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