消費者金融というサービスに対して持っているイメージというのは世代によって一定の下がるのが現実です。年齢層が高いほどあまり健全ではないイメージが根強く残っている一方で、若い世代になればなるほど銀行との違いが良く分からないという人が増えてくる傾向にあります。このイメージの差についてはこれまでの歴史がその様な差異を作ってきたということができるでしょう。（参考ページはこちら→金融業者は現代ではどんな存在？）

戦後、金融機関はいくつかの形に分かれて共存してきた歴史があります。最も代表的な金融機関としては銀行が挙げられます。基本的に全ての銀行は国の許可を受けて営業することが許される仕組みになっており、昔は誕生した順番で番号が付けられていました。現在でも三重の第三銀行や新潟の第四銀行、岐阜の十六銀行や三重の百五銀行などにその名残を見ることが出来ます。しかし日本の多くの銀行は合併を繰り返して資本増強を繰り返していますので元々の名前を残している銀行の数はどんどんと減る傾向にあります。今でも残っている数字の名前の銀行は長い歴史の中で生き残ってきた盤石な経営基盤があったということができるでしょう。
（⇒銀行は現代でも大きな存在です）

この様な銀行に対して、かつては一段下に見られていた金融機関として消費者金融があります。この様に呼ばれるようになったのも比較的最近であり、かつてはサラリーマン金融、あるいはサラ金という呼ばれ方をしていました。このサラ金は銀行に比べれば融資を受けやすいという傾向があるとされており、お金が必要になっている多くの人がこぞって利用することになりました。このサラ金も認可制の真っ当な記入機関ですが、高い金利をかけるという点から銀行に比べてクリーンではないイメージがついてしまったと言えるでしょう。現代においては長い時間をかけてイメージの改善に努めており、コマーシャルなどの場面でもきれいで落ち着いた女性を起用するなど安心のサービスを強調するように変化してきました。

その様な中、大手の消費者金融は株式市場に上場することになり、一流企業の仲間入りを果たすことになりました。一部上場企業となる頃には随分とイメージも刷新されており、従来強く漂っていた不健全なイメージはかなり払しょくされていたと言えるでしょう。現在の若い世代にあまり抵抗感が無いのはその様な企業努力によるものであるということができるでしょう。最近では銀行と何が違うのかよくわからないというイメージを持っている人も増え始めている様な状況にあります。現在でもあまり良くないイメージが残っている人の中にはサラ金と闇金を混同している人が少なからずいると言われていますが、この違いを理解するのは非常に簡単です。それは国の認可をきちんと取っている合法的な金融サービスが否かの違いなのです。

いわゆる非合法な金融機関のことを闇金と呼んだりします。闇金とはヤミ金とも言い、営業免許の交付を受けずに貸金業を行うような事業のことを言います。どこからもお金を貸してもらえないような場合に最後に駆け込んでしまうのがこの様なサービスであったりするのですが、現実的にはサービスではないのです。一般的なのは法律に定められた上限を超えた金利で貸付を行い、苛烈な取り立てを行うというのがヤミ金の特徴です。元々お金が無い人に対して高金利で貸し付けることになりますので非常に強引な手口が使われます。暴力団などの関与もうわさされるこの制度に対しては、手を出すこと自体が間違いであるとよく知っておく必要があるでしょう。

一方で銀行という組織は銀行法と呼ばれる法律によって規制されています。この法律は銀行が銀行であるための規則が厳しくとり決められている法律であり、この法律の定めに従わない経営を行う場合には営業免許の取り消しが行われることもあるのです。そのため法律の定めを守るというのは金融機関にとっては重要なことなのです。またこれまでサラ金と呼ばれてきた金融機関は銀行ではない金融機関としての位置づけです。従って規制される法律も違い、この法律の名称を貸金業法と言います。銀行法も貸金業法も同じく金融サービスを行う事業に対して法を定めることを目的としたものです。
（⇒特に借入額には規制が強い？）

これらの二つの法律は同じような金融サービスを提供する上で必要になるものであるため共通点も多くあります。しかし大きく違う点もいくつかあり、その代表例が貸金業法における総量規制と呼ばれる法律であると言われています。この総量規制という方は貸金業法に定められている法律であり、原則として銀行行以外の金融サービスに適用されます。この法律は非常に分かりやすいものであり、金融サービスの一環として貸し付けることができる金額の上限をその借り手の年収の三分の一までに制限するという内容になっています。この法律を順守するためには金融機関側が借り手から収入証明の提供を受けて年収額を確認する必要があるのです。そのため最近では金融機関側から定期的にs年収額の確認を求められるようになってきているのです。

この様な総量規制の対象となるのは銀行以外の金融機関に義務付けられているものですが、銀行でも同じように年収の確認を必要とするケースがあります。特に高額の融資を受ける場合には返済能力の確認のために収入額を調査数rというのは非常に当たり前のこととして行われています。百万円以下の定額の融資であればそれほど気にすることもないでしょう。

しかし数百万円以上の金額になると回収することが出来るかどうかの審査が必要となります。銀行においてはこの様なプロセルが必要とされているのです。数年では到底返済することのできない巨額融資を扱う銀行において全ての事例で年収の三分の一を上限にするというのは非常に無理のある話なのです。もしもこの内容を徹底しなければならないのであれば住宅を建てるということは非常に高根の花となるでしょう。いずれにしても銀行の融資にとっては現実的であるとは言えないのです。

近年になってカードローンやフリーローンなどお金を借りるという行為が非常に身近になって来ています。特にカードローンなどのサービスはインターネット上で盛んに宣伝されており、契約の完結もオンライン上で行うことができるため、契約のためのハードルが非常に下がりました。この様な契約方法は違法ではありませんが、返済能力の精査という意味では非常におおらかになってしまったということは否めません。

そのため返済能力以上に借入を行ってしまい、首が回らなくなってしまうという問題が発生しかねないのです。複数のローンカードを所有している場合などには総量規制の上限以上の額を複数の金融機関から借りることも出来てしまいます。非常に穴のある制度ではありますが、その様な状態に陥るケースを少しでも減らすためにこの様な法律が制定されているのです。

この様な年収額を証明する書類として一般的なものは年末に発行を受けることになる源泉徴収票です。基本的に主な給与先から発行されることになるその一枚の紙で大体の年収額を証明することができるでしょう。金融機関との契約の際には、借入総額に応じてこの様な収入証明を必要とする場面も出てくるのです。しかし比較的低額の場合、具体的には１００万円以下の場合にはこの様な確認が不要になるケースも存在しています。金融機関ごとに利用しやすいサービス競争を繰り広げていますのでよりよいサービスを探してみる価値はあると言えるでしょう。

最近の金融サービスは面白いもので、一定の制限の範囲内でより良いサービスを作ろうとする動きが活発になってきています。この様な金融サービスに対する規制は、この様なサービスの誤った利用により生活に支障をきたしたり破綻してしまうような事態を回避するために制定されているものです。そのため年収証明等の作業を面倒であると感じていても、しっかりと従っておく方が良いでしょう。