銀行や消費者金融でお金を借りる時には、審査が行われます。これによって、その人にお金を貸すべきか、貸すべきでないかが決定します。具体的にどのようなことが行われるかといいますと、まず収入の有無です。当然ですが、収入がないと借りたお金を返済することができません。もし無職であっても、収入があれば融資をしてもらうことができます。銀行や消費者金融で、個人相手に50万円までの、いわゆる少額融資を行う場合は、無担保無保証が基本です。つまり、返済できない時に回収できる担保や、代わりに返済をしてくれる保証人が存在しないので、本人の返済能力を見るために、まず収入のあるかないかがチェックされます。

その次に見られるのが、信用情報です。ブラックリストという言葉を見聞きしたことが、誰でも一度はあるでしょう。この信用情報に事故情報がつくと、ブラックリスト、あるいはブラック情報がついたということになります。では事故情報とは、そもそもどうやってつくのでしょうか。いくつか理由がありますが、そのうちの一つとして、ローンの延滞が挙げられます。これは通常のローンのみならず、キャッシングやクレジットカードの返済のことをも指します。この返済を3回以上連続で延滞すると、その後5年間はブラックが登録された状態になり、新規にお金を借りたり、また、クレジットカードの申込をしたりすることがかなり難しくなります。（参考ページはこちら→ブラックリスト中の融資の受け方とは？）

それ以外に、債務整理を行った場合でもブラックがつきます。債務整理の代表的なものとして、任意整理があります。この任意整理は、借りたお金を分割で、一定の期間内に返済するものです。一般に任意整理の場合は、ローンの延滞同様に5年間ブラック情報が登録されます。それから自己破産があります。自己破産の場合は返済ではなく、裁判所に破産宣告を行って、借金を帳消しにしてもらうのが目的であり、そのため任意整理よりも厳しく、通常7年経たないと、元通りにお金を借りたり、クレジットカードを作ったりすることができません。

結局どのような場合にブラックがつくのかといいますと、借りたお金やクレジットの利用額を返済できない、そういった場合につくわけです。つまりブラックがあることは、期日までの返済が難しい人物と取られるわけです。しかし、ブラックであっても、借入ができることもあります。どのような所かといえば、中小の消費者金融です。いわゆる大手とは違い、もう少し小さな規模で経営している所が多く、そういう業者は当然審査も緩めで、事故情報がついていても、少額であればお金を貸してくれます。また、一部の大手でもブラックへの融資がOKという所もあります。最初は5万円ほどしか借入ができませんが、きちんと利用と返済を繰り返していると、段々借入枠を広げてくれ、何十万かの借入が可能になることもあります。

ブラックがついた場合に気を付けたいのが闇金です。中小の消費者金融と間違えやすく、実際そのような形で経営をしていることが多いので、区別があいまいになりやすいのですが、この闇金は明らかに違法業者です。違法ですので、法律に則っていない高金利での貸付を行いますし、返済が遅れた場合の取立ても実に容赦がなく、かつて行われていたような、家や職場に来て、お金を返すまで居座るとか、一日中督促の電話をかけまくるということを行います。しかも高金利ですから、返済が不可能になり確率がきわめて高いのです。ブラックにも多額の融資を行いますといった謳い文句の業者が多いですが、このような業者は利用してはいけません。

また闇金の場合は、契約の仕方も特殊です。たとえば、返済出来ない場合の債権譲渡通知書や、白紙委任状を要求することがよくあります。こういう書類は、すべて悪用される可能性が高く、特に白紙委任状は、文字通り白紙に印鑑を押させ、後で自分たちの都合のいい証書にします。また、借入の際の契約書も、金額欄が空欄になっていることがあります。これも、後で自分たちに都合のいいように改変するためのものなので、決して契約をしないようにしましょう。また、実印を押させた後に契約書を公正証書化し、返済ができない場合に、強制執行を行ったりします。普通の借入は、白紙委任状ももちろんありませんし、金額欄が空欄になっていることもありませんので、こういう契約の仕方はかなりおかしく、かつ無理があると考えてください。

特に闇金は、ブラックの人、自己破産をして官報に氏名が記載された人に融資を勧めて来ます。もしあなたがブラックで、見覚えのない金融機関から郵便物が来た場合は、そのまま破棄しましょう。その他にも闇金は、貸金業の登録番号がない、あるいは、連絡先が携帯の番号しかないといったケースが多いという特徴があります。最近では、ネット上に闇金のデータをまとめたサイトもありますので、そういうのを参考にするのもいいでしょう。もし闇金を利用していたことがわかった場合は、弁護士または司法書士に相談して、介入通知を出してもらうようにすると、督促は止まります。この場合は、できれば闇金専門の弁護士または司法書士に依頼するのがお勧めです。

それ以外に、申込ブラックにも気を付けたいところです。申込ブラックというのは、お金の借入の際に、何社も申し込んだ結果、1社も通らないというものです。なぜそうなるのでしょうか。申込数というのは、すべての金融機関で共有できるようになっていて、ある人がたとえば5社に申し込んだ場合は、5社すべてにその事実ががわかるわけです。そのため、なぜ1度に5社も申し込むのか、よほどお金に困っているようだが、返済は大丈夫なのかということになり、その結果すべての会社の審査に落ちてしまうことになるのです。

こういう事態を避けるために、1度に申し込む会社は、せめて3社程度にとどめておいたほうが無難です。せっかく収入もあり、しかも延滞や債務整理もしていないのに、多く申し込んだためにブラックがつくのは、非常にもったいない話です。もし何かで申込ブラックになった場合には、そのまま半年ほど間を置いてから、もう一度申し込むようにしましょう。半年経つと、前の情報が消えてしまうからです。その際には、以前申し込んだところではなく、違う会社に申し込むとすんなり通ることがあります。これは債務整理などの場合も同様で、整理の対象になった会社にいきなり再度申し込むよりは、今まで全く利用したことのない金融機関に申し込んだ方が、審査に通る確率は高くなります。

ところで、自分にブラックがついているかついていないかは、どうすればわかるのでしょうか。これは、信用情報機関という所に連絡をすれば、その人の情報を郵送してくれますし、あるいはその情報をPCにダウンロードすることもできます。信用情報機関は消費者金融系、クレジット系、銀行系の3つがあり、これらのいずれもがネット検索でヒットします。この中で銀行系は他の2つに比べると基準が厳しく、債務整理で自己破産を行ったような場合は、10年経たないとブラックが消えないこともありますので、銀行での借入を考えている場合は、他の金融機関も選択肢に入れておくといいでしょう。

とかくローンの返済の遅れというのは、1度だけならいいと考えがちですが、その1度が2度、3度となると、意外な影響が出てくる場合もあります。お金を借りる場合も、クレジットカードもそうですが、使った分はやはり期日までにきちんと返済する必要があります。また闇金のように、遅れたためにブラックがついた人の、足元を見る様な業者も存在しますので、そういう業者に引っ掛からないためにも、当たり前のようなことですが、まず借りた分や使った分は必ず返す、どうしても期日までに返済できないような時には、あらかじめ相手にその旨を連絡しておく、これを徹底したいものです。それができてこそ一人前の大人であり、社会人といえるのです。