大手都市銀行と、消費者金融、どちらが借りやすく返しやすいですか?ちょっとまとまった金額が必要になったので、できればドンと貸してくれる方がいいんですが…。ちなみに120万円です。返済するアテはありますし、ちゃんと返済していく自信もあります。
(⇒金融業者同士を比較するなら)
借りやすさ重視なら消費者金融です
すすぐに借りる必要があるのなら、消費者金融をお勧めしま。即日融資の迅速対応ができるのが、消費者金融の最大の強みです。120万円を借りたいとのことですので、所得証明書類が必要になります。所得証明書類とは、課税証明書や源泉徴収票、給与明細など、自分の収入を証明できるものです。
問題なのが、あなたの年収です。消費者金融には、貸金業法というものがあり、その中の一つに「総量規制」というのがあります。「総量規制」とは、年収の1/3以上の貸付を原則として禁止する、1社で50万円、複数社合わせて100万円を超える貸付を行う場合は利用者の所得証明書類の提出を義務付けるものです。
(⇒融資審査で欠かせない年収の値)
120万円ということは、単純に計算して360万円以上の年収がなければ、消費者金融では貸したくても貸せない決まりになっているのです。総量規制の例外として、緊急の医療費や借り換えなどならば借りられる可能性がありますが、そうでない場合は次にご説明する都市銀行へ申し込みましょう。
都市銀行とは、その名の通り、大都市に本店がある銀行で、かつ全国展開をしている規模の大きな銀行です。また、総量規制の対象外なので、年収の1/3以上の貸付もOK、銀行によっては、100万円~300万円までは所得証明書類の提出が不要、というところもあります。消費者金融に比べてかなり金利が低く、返済の負担が減るのも魅力です。まさにドンと貸してくれると言ってもいいでしょう。
ただし、審査に時間がかかることがあり、すぐに借りたい時には不向きです。書類郵送の日数も考えれば、早くても3~4日掛かると考えてください。さらに、繁忙期になると審査通知が来るまで待たされることになります。お金が必要な時まで余裕があるならば、遅くとも1ヶ月前までには申込んでおくと間に合います。
注意したいのが、銀行も消費者金融も、過去5~7年間に返済が滞っていないこと、債務整理等をしていないことが最低条件になります。今は返せるアテや自信があっても、過去の行いが直接響いてくるのが融資審査です。7年間を振り返ってみて、そんなことは1度もない!と断言できるならOKです!
消費者金融より都市銀行の方が審査が厳しいというのは間違い
銀行からお金を借りるよりも、消費者金融などの貸金業者からお金を借りる方が審査は甘いと言われることが多いようですが、これは必ずしも正しいことではありません。ほぼ同じようなケースが多くなってきているからです。確かに甘いものを探すことができるのは銀行ではなくて貸金業者の方ですが、常に銀行が厳しいというわけではないのです。これはその仕組みを見ればすぐに見当のつくことです。
キャッシングやカードローンのサービスは、元々は消費者金融などの貸金業者が始めたサービスです。銀行が参入したのはかなり後になってからだといえるでしょう。銀行はキャッシングやカードローンのサービスを提供しようと模索した時期もありましたが、うまくいかなかったようです。そのため、独自にサービスを提供するのではなくて、貸金業者からノウハウを提供手もらう方向へと進んでいきました。(参考ページはこちら→銀行と消費者金融の関係が深い理由)
当初は、貸金業者と提携をするという形をとっていたようです。提携をして子会社を作り、その子会社がサービスを提供するといった形が模索されていたようですが、現在は完全な子会社となっているものもありますし、吸収合併されたような形になっているものもあります。つまり、銀行が貸金業者を吸収して、そのノウハウを元にしてサービスを提供し始めたといえるでしょう。
特に、メガバンクと言われる都市銀行は、子会社を通じてサービスを提供することに熱心です。その仕組みは保証業務として提供されています。保証業務とは債務保証を行うことを指します。つまり、もしも返済ができなかった場合には、保証業務を行っている会社が代わりに返済をしてくれるというものなのです。保証してもらうことによって返済がなされないといったリスクを抑えることができるのです。
銀行の多くはカードローンのサービスを提供していますが、そのほとんどは保証がつけられています。資金自体は銀行が貸し付けるのですが、もしも返済されなかった場合には、保証会社が補填してくれるわけです。これなら銀行はリスクを負わなくて良いのですから、安心して貸し付けることができます。その代わりに、保証料として手数料を保証会社に支払います。
このような保証の仕組みが確立されたことによって、銀行はリスクを負わずにキャッシングやカードローンのサービスを提供できるようになりました。この保証業務を行っているのが消費者金融などの貸金業者です。
銀行は、個人向けに融資を行っていなかったのかというと、そうではありません。たとえば住宅ローンなどは古くから行われていた融資のサービスで、銀行が中心となっていたのです。住宅ローンでは、購入する土地や建物を担保にしますから、銀行としてはリスクを小さくして融資を行うことができます。ほかにも自動車ローンなどもありますが、どれを取ってみてもリスクの小さいものばかりだといえるでしょう。
これに対して貸金業者はリスクの高い融資を行ってきました。担保もつけず、保証人もつけずに融資を行ってきたのですから、そのリスクは非常に高いといえるでしょう。古くから高いリスクで融資を行ってきましたから、そのノウハウはすでに確立されています。ノウハウが確立されているからこそ経営を続けることができたのです。
銀行はキャッシングやカードローンのサービスを提供するだけのリスクを負うことはできないために、貸金業者が保証を行うことでリスクを引き受けるという形になっています。もちろんですが、貸金業者はリスクを負わなければならないのですから、それに見合うだけの収入が得られなければなりません。そのためには、貸し付ける相手を慎重に審査しなければならないのです。
銀行のキャッシングやカードローンに申し込みをすれば、銀行が独自に審査を行うこともありますが、それとは別に保証会社が審査を行います。保証会社の保証を受けることができなければ、銀行のキャッシングやカードローンを利用することはできないのです。この保証会社は貸金業者が行っているという点に注意しましょう。
銀行が独自に審査を行う部分もありますから、貸金業者から直接借りるよりも少しだけ審査は厳しくなります。ただ、重要な部分の審査は貸金業者が行っていて、銀行の審査は申し込み条件に一致しているかどうかなどをチェックするだけなのです。これを考えてみれば、銀行のキャッシングやカードローンを利用する場合の審査と、貸金業者のキャッシングやカードローンを利用する場合の審査の間には、大きな違いがないことがわかります。
かつては銀行からお金を借りるのは非常に難しかったのですが、最近ではかなり審査が甘くなってきたのですが、その理由はこのような仕組みが整えられたからだといえるでしょう。実際のところ、貸金業者の審査と同じくらいのものだと考えられるのです。
貸金業者の保証業務を中心に行っているものもあれば、独自にキャッシングやカードローンのサービスを提供しているものもあります。独自にキャッシングやカードローンのサービスを提供していれば、わざわざ銀行の保証を行わなくても経営が成り立つのではないかと考える人も多いでしょう。銀行に協力するよりも、独自でサービスを提供する方がいろいろな面で有利だと考えるのも不思議ではありません。
それにもかかわらず、貸金業者が都市銀行などの保証業務を請け負っているのは、その方が有利な面が多いからです。特に貸金業法の規制が大きく影響しています。貸金業法では総量規制が導入され、そのために貸し付けることのできる金額に制限が置かれました。具体的には、年収の3分の1までしか貸し付けることができなくなったのです。
ですから、たとえば年収が300万円の人がいたとすると、この人に対しては100万円までしか貸し付けることはできないのです。しかし、銀行にはこの規制は適用されません。ですから、この人が銀行から400万円を借り、そしてその保証を行えば、貸金業者としては400万円を貸し付けているのと同じだけの利益を得ることができるのです。
銀行がわからしてみれば、独自に投資をしてノウハウを蓄積するだけの手間が省けてサービスを提供できるというメリットがあり、貸金業者としては銀行を窓口とすることによって、より多くの貸付を行うことができるというメリットがあるわけです。どちらにとってもメリットがあるために、保証業務を通して提携しているといえるでしょう。
現在では保証業務を行っている貸金業者は、都市銀行の子会社となっているケースもありますし、銀行を中心とする金融グループに入っていることもあります。どちらにしても、実質的には銀行が出資したような形になっています。このような形に整備されるまでには紆余曲折がありました。
消費者金融などの貸金業者が過剰な貸付を行ったことが社会問題となり、法律が改正されるなど、貸金業者にとっては不都合なことが起こった時期があります。このときに、貸金業者は経営が悪化し、資金が回らなくなったのです。経営の合理化を行うために合併が行われたり、最悪なケースでは廃業に追い込まれたりしました。
銀行はこれを救済する形で資本を注入します。これによって子会社化し、現在のような形になったのです。ですから、銀行としてもかなり大きな投資をして貸金業者を救済していますから、今後は投資した資金を回収することも必要となってきます。それが見込まれるのかどうかは、今後の経営次第でしょう。
いろいろな経緯はあっていろいろな問題も抱えているのは事実ですが、都市銀行は保証をつけることによってサービスを提供していると言うことは知っておくべきでしょう。ですから、昔のように銀行は審査が厳しくて消費者金融は審査が甘いという傾向は、大手を中心としてみられなくなりつつあります。それを考えれば、規制のかからない銀行から借りた方が、借りる側としてはメリットが大きいでしょう。