サラリーマンとしてつとめているなどして事業に関するノウハウを手に入れた人が、事業を興して独立するケースは、ここ最近ではそれほど珍しいことではありません。個人事業主として事業を始める人もいますし、会社設立をする人もいます。会社設立をするためのコストも小さくなってきていますから、比較的簡単に独立できるようになってきたといえるでしょう。

脱サラして事業を興すときには資金が必要となりますし、事業が軌道に乗るまでの間にはいろいろな費用がかかってくるものです。これらの資金の準備をしておくことは必要です。事業が軌道に乗ってある程度は成功したという状態なら、銀行などの金融機関は融資に応じてくれるでしょう。しかし、事業を開始したばかりの時には貸してくれないことが多いのです。

銀行としても、経営状態がどのようになっているのかがわからない事業者に対して融資を行うのは危険なことでしょう。もしも事業が失敗した場合には、融資した資金が返済されないこともあるのですから、危険性を高いと判断するのは当然のことです。

実際のところ、銀行が融資してくれるようになるまでにはかなりの期間が必要です。初年度はまだ実績が出ていませんし、初年度特有の事情もあります。2年目の1年間がすぎて年間の損益が確定してくれば、それを元にして融資できるのかどうかを判断することができるようになります。ですから、一般的には3年目以降でないと借りることはできないと考えておいた方が良いです。

消費者金融は借りやすい傾向があると言われることが多いですが、これもケースバイケースです。必ずしも借りられるという保証はありませんし、借りることができたとしても少額しか借りられないと言ったこともあり得ることです。借入金額がどれくらいなのかということについては、まずある程度の知識が必要となります。

消費者金融には様々な規制がかけられています。その中で最も重要なもの総量規制です。総量規制は個人が無担保で借り入れる際の借入金額を制限したもので、年間の所得に対してその3分の1までしか借りることができないと定められています。年間所得が300万円の人なら、最大でも100万円しか借りることはできないのです。

ですから、事業を興すための資金として不十分な場合もありますし、そもそも事業資金として用いることができない場合もあります。なぜかと言いますと、利用目的にそれが記載されていることがあるからです。

消費者金融が提供しているカードローンやキャッシングのサービスは、目的を定めずに借りられるローンとなっていることが多いです。つまり、何に使っても良いということです。しかし、いくつかの例外が定められていることがあります。たとえば違法な目的で使うことはできないと定められていることは多いですし、それとともに事業に用いることはできないと定められていることもあります。

ただ、これは個人向けのサービスに限ります。個人向けのサービスの場合には、基本的には一般消費者が日常生活で使う資金のために用いることが想定されています。ですから、事業者としての利用は想定されておらず、そのために事業資金として用いることを禁じているケースがあるのです。

一般消費者であれば、事業資金として用いることが禁じられていたとしても、それで不都合を感じることはないでしょう。普通の人が事業資金のためにお金が必要になるケースはそれほど多くはないからです。一般個人向けのサービスではこのようになっていることがありますから、事業資金に用いる可能性があるのなら、それができるかどうかを確認した上でサービスを選ばなければなりません。

また、事業者向けのサービスを展開している消費者金融もあります。普通の人がお金を借りるときには総量規制によって借入金額が制限されます。しかし、個人事業主の場合にはそうではなくて、総量規制は適用されないという特徴があります。ですから、これを利用すれば多くの資金を借りることができます。

事業者向けのサービスを利用すれば、もちろんですが事業資金として用いることができますから、一般消費者向けのサービスを利用するよりも適しているといえるでしょう。ですから、事業を興すときにはこのような事業者向けのサービスを利用するのが良いと考えるのが普通なのですが、実はそうではありません。先に一般消費者向けのサービスに契約しておく方が良いのです。

なぜかというと、事業者向けのサービスと言っても審査があるからです。先程も述べましたように、金融機関は決算書などの資料を参考にして審査を行います。ですから、事業者として融資を受けられるようになるまでには、ある程度の期間がかかります。すぐに借りられる場合もありますが、その場合にはかなり少額になるケースが多いです。審査に通りやすくなるのは3年目以降と言われています。

ですから、独立してすぐにお金を借りたいと思っても、すぐには借りられないケースが多いと考えられます。それにもかかわらず、脱サラして新しい事業を始めた初期の頃にはいろいろな費用がかかってきます。想定していたよりも多くの費用がかかることもありますから注意が必要です。このようなときにいつでも借りることのできるカードローンがあれば便利でしょう。

銀行は、お金が不要になるくらい成長したときには融資を行いたがるのですが、軌道に乗る前でお金が必要なときにはなかなか貸してくれないものです。必要なときに貸してくれず、いらないときに貸してくれるのが銀行と言われることもありますが、これはほかの金融機関も同じで、特に事業を始めたばかりで資金が不足しているときには貸してくれない場合が多いのです。

とは言っても、いざというときに借りられる口座を開設しておくことは、経営者の仕事の一つだと考えられます。そのためには、脱サラする前に口座開設をしておいた方が良いです。脱サラしてからぼちぼちと事業を始めようかと準備しているのでは遅いです。というのも、サラリーマンを辞めてしまうと審査に通りにくくなるからです。

どのような金融機関であっても、返済ができない人に貸し付けようとはしません。サラリーマンであれば安定した収入が見込めますから、返済はできるだろうと判断されます。そのために口座開設をしやすい傾向があります。しかし、脱サラすればその時点で無職ですし、事業が軌道に乗るまでは所得を得られないこともあり得るでしょうから、審査には通りにくくなります。

脱サラしていざ資金が必要となったときに借りられないと言ったこともあり得ることですから、その前に口座開設をしておくのが良いのです。この場合、事業者向けの口座を開設することができれば良いのですが、それができなければ一般個人向けの口座を開設するしかありません。

先程も述べましたが、一般個人向けのサービスの中には事業資金として用いることのできないものもありますから注意が必要です。事業資金として用いることを制限していないサービスを選ぶことが必要なのです。

ただし、借りる際には金利が高いなどのデメリットがあることも知っておかなければなりません。その上で経営計画を立てることは必要だと考えられます。銀行融資に比べると金利が高い傾向がありますから、利息の支払いが大きな負担となってしまうこともあり得ることです。このデメリットを把握しておくことは必要です。

独立する際には、公的な融資を受けられるケースもあります。いろいろな条件がありますから誰でも利用できるわけではありませんが、公的な融資なら低金利で借りられて便利です。融資を受けられるまでにはある程度の時間がかかりますから、その間の資金のつなぎをするために消費者金融から借りるというのは良い方法の一つだと考えられます。金利が高いですから、借入は短期間で済むようにしておくべきなのです。

【参考ページ】
開業資金を確保する為の方法