スルガ銀行グループの消費者金融会社が発行しているカードローンがありますよね。このカードローンは審査に通りやすいのでしょうか?
(⇒銀行系はやっぱり審査もシビア?)
このカードローンは比較的通りやすいカードローンと言えそうです
スルガ銀行グループのダイレクトワン。平成24年以前はいくつかのブランド名で、静岡県を中心にして愛知県や神奈川県等にまたがって英儀容していた消費者金融業者です。発売しているカードローンのスペックとしては利用限度額1万円?300万円で貸付利率が4.9%?20.0%となっており、利用限度額によって変化することが明記されています。
また必要書類として、申込み極度額と他社での利用額の総額が100万円を超える場合、また申込み極度額が50万円を超える場合を除いて、本人確認資料を挙げています。この仕切りは、貸金業法の規制によるものであってこの会社が貸金業法を遵守している会社であるということがわかるようになっています。そして対象者が20歳から69歳までになっているのも消費者金融業者らしい緩やかな条件と言えるでしょう。
このカードローンを消費者金融他社と比較すると大体は標準的な設定になっているということができそうです。某有名大手A社では、利用限度額の上限が500万円で利息は4.5%?18.0%になっています。標準的なのですが、微妙にサイズが抑え気味、金利は少し不利と見ることもできるかも知れません。もちろん消費者金融ですから少額の利用が前提になっており、少額ではその程度の差はほとんど影響はしないのですが…。
それでもカードローンスペックで多少なりとも不利であるということの意味はあります。不利な条件が審査のやさしさを意味するのだと言われていることをご存知でしょうか。つまり有利にキャッシングするためには審査が厳しくなり、不利なキャッシングであれば、審査は緩くなるという傾向があるというのです。この基準がどの程度の妥当性を持っているのかは不明なのですが、なんとなくそのような傾向は確かに感じることができます。(参考ページはこちら→融資審査基準はどのように変わっていくの?)
銀行のカードローンの方が条件が良い分、審査は難しくなっており、対して消費者金融系のカードローンは条件が不利な分、審査は緩くなっているということも可能なように思われるのです。この基準を同じように当てはめればダイレクトワンのカードローンは他社よりも不利な分、実際審査に通りやすいということは可能かも知れません。このことは口コミ等の投稿サイトの書き込み等でどのように表れてきているのでしょうか。
(⇒金融業者によって融資のルールが違う?)
口コミ等をチェックしてみると、ダイレクトワンでは債務整理を経験した申込者でもキャッシングを可決したことがあると言います。このことを一般化してダイレクトワンでは債務整理者でもキャッシング可能だということは、言い過ぎになります。しかし、かつて独立系の消費者金融業者であったときからこの会社は柔軟な審査が行われていたことを考えれば現在でも傾向としては残っているといえるでしょう。
カードローンの審査そのものに提携している銀行が口出しすることはまずあり得ないことのようです。ですから審査基準はあくまでも発行主体である消費者金融業者独自のものであると仮定することができます。独自のサービスとして、店頭窓口を利用するカードローンであれば最短30分でカード発行となっていることも注目に値するでしょう。つまり窓口業務を重要視しているということであり、柔軟な審査を期待することができるからです。
スルガ銀行系の消費者金融ダイレクトワンとは
消費者金融は、個人向けに無担保による貸付けを行なっている貸金業者を指す言葉です。貸金業者はこのほかにも事業者向けの事業者金融やクレジットカードの金銭貸付け、リース、抵当証券業なども含まれており、これらを営む場合には貸金業法にもとづき都道府県知事または内閣総理大臣から委任された所管の財務局長への登録が必要になります。
(⇒貸金業法のルールについて)
一方で個人向けの貸付けを行なっている業種としては、質屋や銀行や信用金庫、協同組合などの金融機関、保険会社、証券金融会社などがありますが、それぞれ所管する法律があるため、貸金業としては区別されます。例えば、質屋の場合には質屋営業法となり、所管するのは都道府県の公安委員会が営業の許可を出します。
質屋は、なんらかの物を質草として担保に差し出し、質屋はこの物の価値を基準にお金の貸付けを行います。貸付けには手数料として金利が付きますが、この元本と金利を返済すれば質草が戻ってくる仕組みです。返済できなかった場合には質草は質流れとなり、権利が質屋に移り、質屋はそれを売却して弁済に充てることになります。物を担保に入れる性質上、盗品や不正な占有品による換金に使われる恐れがあるため、公安委員会が所管となっています。また銀行は銀行法により定められ、信用金庫は信用金庫法、協同組合などはその目的に応じた法律によって金融機関としての機能が認められています。
スルガ銀行は、静岡県沼津市に本店を置いている銀行で、静岡県と神奈川県を主な営業エリアとしている地方銀行です。規模としては地方銀行としては中堅どころに位置していますが、他の地銀に比べて積極的なサービス展開をしていることで知られており、知名度に関しては全国レベルとなっています。銀行の設立は古く明治28年(1895年)の根方銀行にそのルーツを持っていますが、その以前の明治20年(1887年)に設立された貯蓄組合の共同社を礎に根方銀行は誕生しています。根方銀行は、わずか1万円の資本金でスタートし、全国で一番小さい銀行としてスタートします。その後、商号を明治29年には駿東実業銀行、明治45年には駿河銀行に変更し他の銀行や信用金庫などとの合併を経て、2004年に現在の商号のスルガ銀行としています。なお、スルガ銀行の表記は駿河銀行時代の1990年から使われているものです。
この銀行が全国的に知られるようになったのは、平成11年(1999年)にスタートしたネットバンキングが大きく影響しています。現在では殆どの銀行で提供されているネットバンキングですが、当時は新興のネット銀行がその中心となっていました。その分野に従来の銀行としては、いち早く参入したため注目されます。さらにインターネットバンキングを通じて、同業種から異業種の多くと提携しネット支店を開設しているのも特徴です。これにより他行へ振り込むといった手続きが不要で、同行扱いになり送金に掛かる手数料を抑えられるメリットがあります。
その他のサービスとしては、SURUGA VISAデビットカードがあり、VISAデビットと日本版のJ-Debitの2種類が利用可能なカードを発行しています。デビットカードは即時決済を行うもので、提携している銀行口座などから即時に引き落としが行われるというものです。VISAデビットの場合には、一部の例外店を除けばVISAブランドのクレジットカードと同様に取り扱うことができます。後払い方式のクレジットカードこれによりそれまでクレジットカードに加入が困難な人でも比較的、加入が容易でVISAブランドのクレジットカードを使った買い物が可能になります。またJ-Debitも同様に行う決済ですが、J-Debit対応店と日中の営業時間中しか使えません。なおVISAデビットのサービスを日本で開始した2例目のカードとなります。
またセキュリティ面では掌の静脈による生体認証を行うバイオセキュリティシステムも行なっており、平成19年(2007年)には普通預金での生体認証対応ICキャッシュカードの取扱を開始していますし、みまもりサービスでは、ALSOKで知られる綜合警備保障のホームセキュリティに連動してキャッシュカードの使用を不能にするといったものも行われています。このほかにもサービス面では、移動銀行窓口車を週に2、3回訪れ営業活動を行なっていますし、目的ローンでも住宅ローンやカーローンはもちろん、鉄道模型やロードバイク、一眼レフカメラなどの高額商品の購入資金として使える特化型のローンも幅広く扱っています。
なお、静岡県や神奈川県以外の店舗としては東京都23区に4店舗、埼玉県さいたま市、千葉県千葉市、愛知県名古屋市、北海道札幌市、宮城県仙台市、京都府京都市、福岡県福岡市、大阪府大阪市、広島県広島市に各1店舗ずつを展開しています。
一方でスルガ銀行系の消費者金融としてはダイレクトワンがあります。ダイレクトワンは、もともとは昭和31年(1956年)に丸和商事として静岡県掛川市で創業し、主に商店向けの小口融資を行う事業者金融を行なっていた会社です。個人向け貸付けには昭和52年(1977年)に参入しており「ニコニコクレジット」のブランド名で、静岡県や神奈川県のほか、山梨県、愛知県、岐阜県、三重県、石川県、福井県、滋賀県、京都府など東海地方を中心に事業を展開していました。丸和商事時代には、異業種の企業を傘下に収め、不動産業などを行うなど中堅の貸金業者として知られましたが、2000年代に入ると過払金返還請求が増加し経営が悪化し、さらに貸金業法の改正による審査の厳格化により、収益が悪化し平成23年(2011年)に民事再生法適用を申請します。
このさいメーンバンクがスルガ銀行で、スポンサー契約を結び平成24年(2012年)に再生計画案認可決定が確定し、子会社化されることになります。またこのさいにそれまでの丸和商事からダイレクトワン株式会社に社名変更されます。また店舗の縮小も行われ、無人点の廃止とともに現在では静岡県に4店舗、愛知県に2店舗、神奈川県に1店舗の有人店舗のみとなっています。なお、会社のイメージカラーは以前のニコニコクレジット時代と同様に赤色を基調としたものが使われています。またそれまで丸和商事が行なっていた、ニコニコクレジットのほか、女性向けのレディースローンのアイリスや、ネットキャッシングのe-NIKOなどもダイレクトワンにブランドが統一されています。
銀行グループと銘打っていますが、ダイレクトワンは貸金業者であるため貸金業法に則って貸付けが行われます。そのため、総量規制の対象となります。ダイレクトワンの申込み対象は、20歳から69歳までの安定した収入のある人で、主婦やアルバイト、パートや学生も収入があれば申込みが可能となっています。利用限度額は1万円から300万円ですが、総量規制の関係で収入の3分の1までしか借りることができません。貸付け金利は4.9%から20.0%とおおむねほかの消費者金融と同様となっています。なお、借り入れ金額も貸金業法に則り、50万円以上または他社とあわせて100万円以上の借入を行なっている場合には収入を証明する書類が必要になります。また女性向けのサービスも行なっていますし、独自のサービスとしてお借り換えローンやペットオーナー向けのカードローンも行っています。
お借り換えローンは、いわゆるおまとめローンで、複数ある借入を一本化するためのものです。メリットとしては返済日を一本化することができますし、複数社から小分けに貸付けを受けているとそれだけ高い金利を支払うことになりますが、一本化することで金利を抑えることが可能で、結果として支払い金額を抑えることが可能です。またペットオーナー向けでは、ペットの購入のほか治療や器材購入などに幅広く使え、50万円までの貸付けを受けることができます。