消費者金融で融資などを受けたい場合に、審査の際に会社に電話くるのが心配だという方は多いでしょう。どこの金融会社でも、融資を行うための審査があり、その中でも、安定した収入があるかどうかが重要事項になります。

どのような会社に、どれくらい勤めているか、年収はいくらであるか、必ず尋ねられるでしょう。これらは、本人から直接確認することができますが、「本当に会社に在籍しているか」を保証することはできません。そこで、勤務先へ電話をすることで「在籍確認」を行うこととなります。在籍確認を確実に避けることができると断言できる方法はありませんが、消費者金融からの電話だと気づかれないようにする方法があります。いくつかのポイントがあるので、自分の環境にあった対策を事前に用意しておくと良いでしょう。

１、消費者金融は会社名を名乗りません。

金融会社は、「貸金業法」によって、契約の事実や情報を、本人意外の第三者に知らせてはならないと定められています。そのため、「会社名は名乗れない」のです。会社への在籍確認の電話は、たいてい、審査担当者の本名でかけられます。仮の会話を例にあげると、「鈴木ですが、佐藤さんはいらっしゃいますか？」という具合になるでしょう。契約者が不在であっても、「席をはずしている」という言葉を聞けば、在籍確認はできたものとみなされます。勤務先にあれこれ質問することはありません。もちろん、契約者が電話に出ることでも在籍確認はできたものとして終了します。

これに対して、どのような対策が取れるでしょうか。担当者に相談することで可能になる場合がありますが、「知人である」と名乗ってもらうことができるでしょう。保険会社などを名乗ってもらうこともできるかもしれませんが、現在は偽名や架空の会社を名乗るなどの偽り行為は違法になるため、応じてもらえない可能性が高いです。知人から、家族などのことで話があるといった、あなた個人のことで話しを合わせてもらうのが良いでしょう。あるいは、事前に、保険会社や新しく作ったクレジットカードの在籍確認として電話があることを伝えておくのも、ひとつの方法になるのではないでしょうか。

２、ナンバーディスプレイは偽れない

消費者金融の本社から勤務先に電話がある場合、ナンバーディスプレイの番号から気付かれる可能性があります。これも担当者の携帯電話からかけてもらうように、交渉することができます。

３、どうしても勤務先に連絡を入れてほしくない場合

職場によっては、消費者金融の印象が非常に悪く、仕事がしにくくなったり、立場が悪くなる恐れがある場合があるでしょう。そのような場合は事情もあわせて話、素直に担当者と相談してみましょう。たいていの金融会社では代替措置を用意しています。確実に行ってくれるとは限りませんが、勤務先の住所が書かれている保険証や、社員証、直近の給与明細を数枚など、勤務の事実を証明する書類をいくつか用意して提示することで、在籍確認がとれたものとしてくれる場合があります。電話による在籍確認の内容を知るだけでも、審査が怖くなくなるのではないでしょうか。一番の心配事である、借り入れを申し込んだことを知らされる心配は、ほとんど「ない」と言えます。

次に、会社への電話について心配されることが多いものに、「催促の電話」があります。万が一、何かの事情で返済が遅れるなどした場合、会社への催促の電話はかけられるのでしょうか？

４、金融会社は、契約者の勤務先に「返済を催促する電話」をかけることはできません。

自宅や会社に構わず電話されては、返済を迫られるイメージを持つ方は少なくありません。しかし実際には、先にお伝えした「貸金業法」にある、契約の事実を他人に知られてはならないという法律の上では、勤務先へむやみに電話をかけることはできないのです。ただし、自宅や携帯電話などで、契約者本人と連絡が取れなくなったといった「正当な理由」がある場合は、勤務先への電話があってもおかしくありません。１日に何度も、頻繁に電話をかけるということはないでしょう。契約者本人に金融会社から電話がある場合、すぐにきちんと対応することで、会社へ電話されることを防ぐことができます。

５、会社に電話が来る場合の対処法について

多額の借り入れをして、返済があまりに滞るような場合。やむを得ない事情から、よく調べずに「良くない」金融会社から借り入れをしてしまった方など、会社への催促の電話がかけられることがあります。もちろん、おおやけに法律を犯すことはありません。法律に従った方法で、催促してくるのです。

一般の金融会社であれば、仕事を止めさせる恐れがあるので、以降は携帯電話あてに連絡をくださいとお願いすることで、会社への電話を止めさせることができるでしょう。

「良くない金融会社」から借り入れしている場合は、借金の取り立て方法に問題がないか、調べてみましょう。契約者が「電話での連絡は、会社ではなく携帯へ」と告げている場合や、「連絡は何時から何時までにお願いします」と伝えている場合、それ以外の場所や時間に連絡することは「違法」になります。ましてや、電話口で大声を出すこと、静かな口調でも言葉による脅しと受けとれるもの、遠回しな威嚇など、すべて恐喝罪にあたります。勤務先の上司などに、契約者の保証人をすすめるなどといった行為ももちろん不法です。

また、１日に催促できる電話の回数は、３回程度と決められています。電話に出ることで１回とするか、着信がある時点で１回とするかは、各会社の方針や受け取り方で違います。「良くない金融会社」が相手である場合は、やはり、「電話に出て１回」とするでしょう。きちんと３回は対応し、他に着信があれば記録を残しておきましょう。

相手によっては、勤務先など逃げられない場所に電話して、弁護士を立てて弁済を要求するといった内容を話すことがあります。一見、正当な理由があるように聞こえますが、債務整理は債務者本人が弁護しに依頼するものでなければならず、債権者が契約者（債務者）に対して依頼を迫らせたりすることは、いけないことになっています。相手が理解してくれるようであれば、そもそも勤務先に連絡をするなどといった、債務者に不利益が出る行為が近視されていることを伝えると良いでしょう。

「良くない金融会社」では、他社の金融会社から借りて、こちらの返済をしろといった提案を、遠回しされる場合があります。遠回しであっても、違法であることを知っていれば断ることができるでしょう。「良く無い金融会社」であるかどうかは、金融会社の登録番号がきちんとあるかどうか調べることができます。インターネットを検索して、上位に出てくる金融会社は、ほとんどが大手で安心できるところですが、融資をしてくれる会社を探して、ネットをさまよった記憶がある場合などには注意が必要です。

ところで、返済を滞納している場合で、契約者（債務者）の方が手荒な電話対応などをしている場合は、また少し困ったことが起きます。ですから、融資をしていただき、申し訳なくも、返済が滞っているという気持ちを忘れずに対応していきましょう。相手もただのサラリーマンである場合がほとんどです。窮地に陥れたいと考えているわけではなく、単に返済をお願いしているだけなのです。

いずれも、会社への催促の電話がかかってくるほどであれば、弁護士事務所などへ相談に行くのが良いです。債務整理をすることで、返済しやすくなり、催促の電話もストップすることができます。このように、以前のイメージとは違い、現在の一般的な金融会社は紳士的であると言えるでしょう。必要以上に怖がる必要はありません。本当に困った時に、助けてもらえるメリットは多いでしょう。借り入れをする場合は、きちんと計画をたてて行い、月々の返済を滞りなくすることで、何か問題が起こることもありません。上手に利用していきましょう。