年金受給者で生活をしている者ですが、生活費として年金を担保にして消費者金融会社から借り入れをしたいと考えています。
そんなところは有りますか?街中の無人スペースですぐ借りられるんでしょうか?
年金を担保には消費者金融会社からは出来ません
一般的に消費者金融会社はどこも大抵、対象年齢として制限を設けています。65歳まで、69歳までとしているところがほとんどなんですね。理由としては退職する年齢までは皆さん収入があるので、融資をしているのですが、それ以降は年金受給になって来て、健康を害されたり、人によっては亡くなってしまうというリスクが増える事になります。お金を貸す消費者金融会社側からすれば返済する能力が無くなって行ってしまうとみなされてしまうんですね。(参考ページはこちら→融資審査は公平かつシビアに見られます)
年金を担保に借りられるとしている消費者金融会社があるとすれば、詐欺まがいの業者であったり、後々強引な取り立て等にあう危険性のある闇金融業者だったりと悪意のある会社である可能性が高くなっているんです。安易な言葉は疑った方が良いかもしれません。もしもあなたに、定年退職した以降も年金以外の収入があるとすれば、それは銀行でのローンでカードキャッシングなどが可能です。(参考ページはこちら→収入があれば職業に関わらず借りられる?)
消費者金融会社ではなく、医療費を含めて高齢になるにつれて社会保障も国や地方自治体から受けられるものもありますね。それらを活用するのも手段の一つで、年金を担保にして良い制度があります。独立行政法人で、年金を担保にした貸付事業を行っているところがあるんです。
金利も消費者金融が慰謝に比べて低く、年間で1.6パーセントとされていますね。ただ、そのお金の使用目的が介護・医療費・住宅改修・冠婚葬祭関連・事業の維持・債務整理と定められていますので、これ以外を選んで使う事は不可能になって来ます。それ以外では特例として、100万円を上限として生活資金を目的として良い事になっていますので、あなたの場合ですと生活資金として使用されるなら上限が100万円となりますね。
その他にも日本政策金融公庫というところが年金を担保に貸し付けをしており、現在では二つだけになっているんです。振り込め詐欺を始め、高齢者をターゲットとした詐欺の手口も横行していて、年金を担保にという言葉に惹かれて詐欺にあってしまう場合もあるでしょう。貴重な残った資産もすべて騙し取られてしまってはお年寄りにとって痛手以上のものですね。消費者金融会社では基本的に不可能だということを頭に良く入れた上で、今後の生活資金について検討してみてはいかがでしょう。
年金担保消費者金融と公的な年金担保貸付制度
消費者金融が取り扱いをしているカードローンは、かつては金利が高いことや取り立てが厳しいなどのイメージがあり、今でも利用することを躊躇される方が多いかも知れません。確かに、以前は消費者金融などの貸金業者の貸出金利について明確な法の規制がなかったために、法外に高い金利を設定する貸金業者がありました。また、取り立てに際して恫喝的な行為もあり、中には暴力団関係者が関与している事実もあります。
これらのことは、多重債務者の急増や自殺者の発生などが社会で大きく問題となったため、政府が対策に乗り出した結果、現在は利用者にとって利用しやすい環境が整ってきています。改正貸金業法により貸出金利の上限が20%と明確になり、強引な取り立てをする貸金業者に対する罰則も整備されています。
ただし、どのように法律が整備されても、悪質な営業をする業者は後を絶ちません。高齢化が急速に進む日本の中で、悪質な業者は高齢者をターゲットにした様々な違法行為を行うようになりました。中でもかねてより警察や行政が注意喚起をしているものに、振り込め詐欺被害があります。電話で家族を装い、様々な理由を儲けお金を巻き上げる詐欺行為です。家族を心配する人の心理を逆手に取った許されざる行為ですが、警察の取り締まりや注意喚起をもってしても被害の終息に至る気配がないようです。これらは、家の固定電話を使った詐欺行為ですので、常に留守番電話にすること、相手を確かめてから電話に出ること、すぐにお金を振り込まずに家族に連絡をすること、などが被害に遭わないための対策です。一人一人が日々心がけておく必要があります。
その他、高齢者を狙った悪質な行為に、年金担保消費者金融の存在があります。通常、消費者金融などの貸金業者でも、銀行をはじめとする一般金融機関でも年金を担保に資金の貸付けを行うことは法律で禁じられています。ところが、現在の日本経済は景気回復の目途が立たず、少ない所得で日々の生活を送っている方が少なくありません。中でも年金だけで生活をされている高齢者の方達の中には、急にお金が必要になった時いのための預貯金がない方もおられます。
そのような高齢者をターゲットに年金手帳を担保に融資を行う貸金業者が存在します。融資される額は数万円単位の少額であっても、金利面や返済方法など総合的に考えると、毎月受給できる年金の殆どを吸い上げられる可能性がある悪質な業者です。わずかな金銭を用立てるのに、このような詐欺業者に騙されないように注意しましょう。このような業者は、お金を融資する際に甘い言葉で誘います。その際に、年金手帳、通帳、印鑑などを業者に預けることを条件とする場合があります。業者にこれらを預けると年金受給日には貸金業者が年金を自由に引き出せることとなり、高齢者の大切な年金が悪質な業者の手に渡ってしまうことになります。
残念ながら、これらの悪質な業者は、被害者の申し出がなければ警察にも気づかれないケースが多く、世の中に蔓延ってしまいます。もしも、このような被害に遭われた場合には、泣き寝入りをせずに行政の相談窓口や警察に相談するようにしてください。
年金を担保にお金を借りる方法は、消費者金融を利用せずとも存在することをご存知でしょうか。例えば、株式会社日本政策金融公庫の「恩給・共済年金担保融資」がその一つです。株式会社日本政策金融公庫は、2008年(平成20年)10月1日に設立した金融機関です。株式会社ではありますが全額政府出資であり財務省が所管する日本の政策金融機関として業務を行っています。いわゆる公的金融機関であると考えて差し支えありません。ここで取扱いをしている「恩給・共済年金担保融資」は、融資条件として「恩給や災害補償年金を受けている方」に対して一人当たり最高250万円(ただし担保とする年金額の3年分以内の額)を金利年0.55%で融資しています。資金使途は住宅などの資金や事業資金とされています。
また、「共済年金を受給者の方(生活保護などを受けていない方)」に対しては一人当たり250万円(ただし担保とする年金額の2.6年分以内の額)を金利年1.95%で融資しています。資金使途は住宅などの資金や事業資金ですが、生活資金としてご利用される場合は融資上限を100万円としています。消費者金融や銀行などでも、年金受給者を対象にしたカードローンを利用出来るところがありますが、それら民間のローンと比べると金利面で比較出来ないほど有利になっています。また、この融資には、任意で団体信用生命保険に加入することが出来ます。団体信用生命保険に加入すると、ローンの返済中に万が一のことがあった場合に保険会社が残債を整理します。
もうひとつ、年金を担保に資金調達が出来る方法がありますのでご紹介します。独立行政法人福祉医療機構(WAM)は厚生労働省が所管する独立行政法人です。厚生労働省の担うべき業務である医療・社会福祉関連事業に寄与すべく設立され、その仕事の中に、年金受給者に対する小口資金の貸付け業務を含んでいます。
独立行政法人福祉医療機構(WAM)のホームページを見て頂くと、機構がどのような業務を行っているかが分かります。コンテンツの中に、福祉貸付事業、医療貸付事業、心身障害者扶養保険事業などと並んで「年金担保貸付事業・労災年金担保貸付事業」があります。このページを開いていただくと、年金受給者の方達に行っている貸付け業務の詳細が分かります。この融資を受けられるのは、厚生年金、船員保険、国民年金(老齢福祉年金を除く)、労働者災害補償保険の年金の支払を受けている方です。資金使途は、保健医療、介護費用、住宅改修など、冠婚葬祭費、教育費、事業維持、債務整理、臨時生活資金などとなっており、日本政策金融公庫の「恩給・共済年金担保融資」の資金使途に比べて広範囲に利用出来ます。ご利用出来る金額は最高250万円です。
利率は年金担保融資:年1.6%、労災年金担保融資:年0.9%となっています。ホームページにはリーフレットがPDFファイルで掲載されていますが、情報量が多いのでご高齢の方には読みづらいかも知れません。独立行政法人福祉医療機構の年金貸付課の電話番号が掲載されていますのでお電話でお問い合わせいただくことも出来ます。
このような情報は、インターネット等で入手することが出来ますが、ご高齢者だけのご家庭にはパソコンをお持ちでない家庭も多いと思われます。残念ながら医療・福祉・介護など高齢になるほど必要な公的なサービスの情報が実際に必要としている方々に届いていないという現状があります。知りたいこと、分からないことなどあれば、ご家族をはじめとした周囲の方の助けを求めるなどして、必要な情報を得る努力が必要な時代になってきています。
その他、近年注目を集めているのが住宅を担保にした資金調達の方法です。これはリバースモーゲージと呼ばれるもので自宅を担保とした年金制度の一つであると考えられています。自宅に住みながら生活に必要な現金を手に入れられるので、今後需要が増えることが予想されています。この融資は、公的なものと民間の銀行などで提供しているものがあります。
公的なものとは、各都道府県の福祉協議会が窓口となって行っている「生活福祉資金」の中にある「不動産担保型生活資金」です。居住用の不動産を持ち、将来自宅に住み続けることを希望する高齢者に対して、当該不動産を担保にして毎月の生活資金を融資しています。世帯の構成員が65歳以上であることや、収入に制限があることなどの条件がありますが、現金収入のない高齢の方々が生活費の心配をせずに自宅に住み続けることが出来ます。
また、民間のリバースモーゲージには東京スター銀行の「充実人生」などがあります。この商品は、55歳から80歳までの方が対象で一戸建ての自己所有住宅をお持ちの方は最高で1億円までの融資を資金使途自由で利用することが出来ます。毎月の返済は利息分のみで、かつ預金連動型なので東京スター銀行に預金がある方は預金残高と同額分の利息負担がゼロになります。ある程度の資産を持っている方に適したリバースモーゲージだと考えられます。