みなさんのご自宅にテレビはありますでしょうか、おそらくほとんどの方がお持ちであると思いますが、最近金融機関のテレビコマーシャルが増えてきたように思いませんでしょうか。そのほとんどが、少額の融資を行います、というサービスを宣伝するものなのですが、その中で最近特に目立つテレビコマーシャルがあります。それは、消費者金融のテレビコマーシャルで、○○銀行系の会社ですと宣伝しているタイプのテレビコマーシャルです。

基本的にこれらの2つの金融機関はどちらもお金の貸し出しを行っている会社であるはず、ですからそれらの業務提携にはたして意味はあるのでしょうか、本質的には同業他社にあたるのでお互いにとってデメリットしかないのではないだろうか、そんなようにお考えの方はいらっしゃいませんか。

実は、この2つの金融機関は同じお金を貸すという行為をしていても実態は似て非なるものなのです。商品やサービス展開に差があることはみなさんご存知ですね。銀行では各種のローンを取り扱っており、住宅ローンであれば新しい新居を構えるときに数千万単位の資金を貸し出してくれ、最長で35年間、420回に分けて返済をひたすら行っていくローンになり、その分かなり厳密な審査に基づいて貸し出しが行われることになります。ですから、その日に申し込みをしに行ってその場ですぐに貸してくれる、などといったことはあり得ません。たくさんの書類を書いて、たくさんの書類を準備して、数週間の日数を必要として、初めて審査に通ることが出来るのです。

マイカーローンの場合はもう少し簡単な手続きになります。車を買う時にはいくら高級な車を買ったとしても500万円程度に収まることが多いはずですので、数千万という単位の融資にはなりません。ですから、それだけ返済も簡単に短期間で済みますので、審査もその分早く回答を得ることが出来ます。とはいっても数百万円をいう金額は大きな金額ですので、簡単に貸し出すことはできません。そろえる書類もそれなりに多く、即日貸してくれるということはこちらに関してもあり得ないといって良いでしょう。

これらの2つの例に限らず、銀行から融資を受ける場合にはすぐに言ってすぐに回答をもらって利用可能という融資はありません。まずは申込書を記入して書類をそろえたならば、そのあとどんなに短くても数日間の日数は必要となるでしょう。しかし、それだけ大きな金額を貸し出してくれる金融機関でもあるのです。

一方消費者金融の場合は、大きな金額を借り入れることはできません。逆に少額融資は得意中の得意であり、5万円などのごく少額から融資を受けることができます。そして、審査のはやさも借入金額の小ささにあいまってかなりの速度であり、即日融資も十分可能なサービスなのです。しかし、大きなお金を借りようとした場合にはこのサービスを利用することはできません。せいぜい100万円程度が一般的に利用されている上限額と言えるのではないでしょうか。

また、消費者金融の場合は貸し出し金額に上限があります。総量規制という規制がかかっており、貸金業法によると年収の3分の1以上の金額は貸し出してはいけないことになっています。ですから年収1000万円の方であれば333万円、年収300万円の方であれば100万円が上限となり、何本も借入を持っていたとしても合計金額がそれ以上になることは法律により禁じられているのです。

しかしながら、それは銀行には適用されません。もしそこにも適用になるのであれば、おそらく住宅ローンはその役割を全く果たさなくなり、ほとんどの方が新居の購入をあきらめることになるでしょう。通常住宅の価格は数千万円に上りますので、それらの金額が年収の3分の1になるような年収の方は、億単位でお金を稼いでいる方になってしまいます。日本国民の何割くらいがその億単位の年収を持っている方であるか想像してみると、おそらく何割という表現では無理で、何分、何厘という単位になってくることでしょう。

ですから、これらの2つの金融機関は実はライバルなどではなく、きちんとすみわけが出来ているのです。高額の融資はその融資金に色付けができている各種のローンで、少額の融資は色のついていないお金をスピーディーに貸し出すことができる金融機関でといった形に、適材適所でうまく活用することができるのがこの2つの金融機関です。

よって、これらの金融機関が業務提携を行った結果は、すべてのお金を借りたいという要望にすぐに最適な答えを出すことが出来る金融グループの誕生、ということにつながります。つまり、業務提携はお互いにとってデメリットはなく、逆にメリットしかないのです。一見同業他社のライバル関係に見えるこれらの金融機関の実態は、全く異なるものであったのです。

また、もう一つ大きな意味を持っているということについてお話ししておきます。主に消費者金融の話になるのですが、基本的にこの業種は世間的に不当に黒いイメージを持たれてしまっています。法外な金利で貸し出しをされるのではないか、取り立てが厳しいのではないか、いつの間にか返済金額がやけに増えていたりするのではないか、などなど、テレビドラマやマンガの影響もあるのかもしれませんが、良いイメージをもたれていないということは事実なのです。

ですが、実際にはとても便利なサービスをクリーンに展開していますので、そのイメージ戦略のためにも銀行がバックボーンにいて、同じ系列のグループ企業なのだということをアピールすることで、利用者に安心感を与える効果があるわけです。この会社はしっかりした経営を行っている会社なのだな、という当たり前のことをわざわざつたえないと信用してもらえないのがこの業種であり、この件に関しては今後より一層のイメージアップを図っていかなければならない分野ではないでしょうか。

さて、これらの業務提携を行っている2つの業種の金融機関ですが、どちらも便利に利用することが出来るということはすでにお話しした通りです。しかし、いずれにせよお金を借りた、という事実は金額の大小の差すらあれども同じことです。ですから、どちらの金融機関で借入を行っても、しっかりと返済を滞りなく済ませていくことは一番重要であることは間違いないでしょう。

もし仮に返済がとどこおるようなことがあれば、それはみなさんが金融機関からの信用を失うことにつながります。金融機関からの信用は、一度失うと元通りにすることは大変難しく、次回融資を申し込んでもこの人は返済が出来なくなってしまう可能性が高いと判断されると少額しか貸してもらえなかったり、そもそも1円も貸し出しはできないという回答が出てしまったりすることもあるのです。

ですから、みなさんはみなさんご自身の将来のためにもきちんと計画的に借入と返済を行って、当たり前のことを当たり前に毎月こなしていきましょう。そのためには、まず借入の段階から無駄な借入は行わない、必要な時に必要な分だけ借り入れるということを意識するべきではないでしょうか。人間やはり手元にお金があるとどうしても使ってしまいたくなるものです。ですから、初めから手元に少額しか置かない生活を行うことで、その無駄を少しでも省くことが出来るものと思われます。

もちろん緊急時には借入をうまく活用して乗り切ってもらえればよいとおもうのですが、その緊急時に金融機関に借入を断られてしまうような事態に陥ることのないようにしっかりと普段から金融機関から信用される人物を目指して返済実績を積み上げていってください。もしその信用度が高まっているのであれば、万が一の時に利用限度額が増額できたりと良いことが起きる可能性も十分ありますので、それだけ日頃の行いと信頼というものは大事なものであるということが出来るのです。