銀行も消費者金融も同じような借り入れのサービスを展開していますよね。これって何か違いはあるのでしょうか?違いがあるからこそ銀行系と消費者金融という枠組みで分かれているとは思うのですが、私からしてみればその違いというのがあまりよくわからないのです。今後借り入れをする必要が出てきたときにも利用するところを的確に判断できるようにしたいので、ぜひ両者の違いについて教えてください。(参考ページはこちら→金融業者毎に違いはあるの?)
銀行には総量規制がないという大きな違いがある
銀行と消費者金融が提携して運営しているというところもありますから、確かに似ている箇所は多いですね。しかし違いというのはちゃんとあるんですよ。違いが顕著なのは、消費者金融には総量規制があり、銀行にはそれが適応されていないという点かと思います。
総量規制というのは貸金業法の一つで、借り入れ額が年収の3分の1までに制限される制度のことを指します。貸し付けの契約には、個人向け貸し付け、個人向け保証、法人向け貸し付け、法人向け保証の4つがあります。私たちが消費者金融や銀行から借りたときに当てはまるのが、最初に挙げた個人向け貸し付けになります。そしてこの個人向け貸し付けのみが総量規制の対象となるように定められているのです。その他の3つは対象外となっているため、総量規制が適応されません。
貸し付ける消費者金融は総量規制を適応させるために、利用者の借り入れ額に応じて逐一調査をしているのです。通常、利用者へ貸し付けた金額が1ヶ月で5万円を超えた場合や、あるいは貸し付け残高が10万円を超えた場合は、貸し手の業者は信用情報機関に問い合わせることを義務付けられています。また、残高が10万円を超えた際にも、3か月に一度は信用情報機関から情報を入手して確認することを定められているのです。
この総量規制は、消費者金融にとっては必ず守られなければならない制度です。年収3分の1以上を貸し付けた場合は違法となり、行政処分の対象となってしまうからです。ですので、消費者金融は借りやすい審査を行ってはいるものの、借り入れ限度額については大変厳しい対応を取っているというわけなんです。(参考ページはこちら→消費者金融の審査基準について)
一方、銀行には総量規制は関わりがありません。利用者にとっては好都合とも呼べるでしょう。しかし、これで消費者金融と同じように審査がやさしければ銀行側の経営は立ち行かなくなってしまいます。つまり、銀行は総量規制がない反面、審査が厳しいという特徴を持っているというわけなんです。また、制限がないということで借り過ぎてしまう人も少なくありません。銀行から借りる場合は、自己管理がとても大切だということですね。
消費者金融や銀行を利用する上で共通して言えることは、貸し手側からの信用を落とさないように配慮しなければならないということです。たとえば返済についてです。厳しい銀行はもちろんのこと、消費者金融も返済の遅延をとても嫌います。どうしても遅れてしまう場合は、貸し手側に連絡をすればある程度の譲歩してくれることもありますが、やはり遅延は遅延と見なされるため信用情報機関では良い記録として残ることはありません。
遅延の状況が長引くと、最悪ブラックリスト入りとなってしまうおそれもあります。そうなると消費者金融では1年、銀行では5年もの間ブラックリストから消えません。それにこの期間には借り入れは一切できなくなります。ですから、返済の遅延だけはけっしてしないように常に心がけるようにしてくださいね。
消費者金融とは、銀行融資との違いについて
消費者金融とは貸金業法と呼ばれる法律を守り営業を行っている貸金業者の一つです。信販会社が提供しているクレジットカードの中にはショッピング枠の他にキャッシング枠が設けられているクレジットカードが有りますが、キャッシング枠部分については貸金業法が適用されると言う特徴が有ります。
1枚のカードで2つの機能を持つのが特徴で、クレジットカードのショッピング枠では現金レスでの買い物や食事を楽しめ、キャッシング枠では現金を引き出して買い物や旅行、引越しなど様々な利用用途に使えると言う事からも利用をしている人が多くなっています。(参考ページはこちら→クレジットキャッシングの便利な仕組み)
但し、このキャッシング枠と言うのは貸金業法に準ずるものであり、利用限度額の上限は年収の3分の1以内と言った規制が有るのが特徴です。
これは総量規制と呼ばれる貸金業法の中に在る規制であり、消費者金融も同じく総量規制を守り営業を行っているのです。
尚、この総量規制は銀行融資においては適用されていませんので、利用可能額は審査により決められ、年収の3分の1を超える融資を受ける事も出来るのが特徴なのです。
因みに、この総量規制は多重債務になる人を減らす目的で追加が行われた規制なのです。多重債務と言うのは、複数の金融業者からお金を借りて、借金をすることを意味しています。借金をする目的と言うのは、最初の1社目は何らかの目的が有って申し込みをしたうえでキャッシングをするのですが、その返済が出来なくなりそうになると、他の金融業者からお金を借りて、1社目の返済を行うのです。
これが2社、3社と増えていき、借金の額だけが雪だるま式に膨れ上がり自己破産をする人も居れば、自殺をしてしまう人が多くなったと言われているのです。
この多重債務になる人を減らすため、年収の3分の1を超える貸し付けを貸金業者に対して規制を行ったのです。年収の3分の1までであればお金を借りる事は出来ても、それ以上のお金を借りる事が出来ませんので、当然借金返済の目的でお金を借りる事が出来なくなったのです。
この総量規制により借金の額だけが雪だるま式に膨れ上がると言う事を事前に防止する事が出来るとしているのです。但し、消費者金融などでは利用する側に一方的に有利になると言うおまとめローンと呼ばれるキャッシング商品を用意しているのです。おまとめローンは利用する人が便利に使え、且つ、有利になると言う事からも総量規制の例外貸し付けとして認められているもので、年収の3分の1を超える借入も可能になっているのです。
おまとめローンは銀行融資にも有りますが、消費者金融のおまとめローンは総量規制の例外貸し付けとしても存在しているキャッシング商品になるのです。尚、おまとめローンを利用する場合の利用使途と言うのは、あくまでも他社からの借金の借り換えとして利用する事が出来るもので、簡単に言えば借金返済のためのローンでもあるわけです。
多重債務になった人は今でも多くいると言いますが、その多重債務になった人を救う事も出来るのがおまとめローンなのです。
おまとめローンを利用する場合は、他社債務の借金の金利と、これから借りようとしているおまとめローンの金利を比較し、両者の金利のうちおまとめローンの金利の方が低い事で利用価値が出てくるのです。
金利は借金返済に含まれる利息に反映されるものであり、金利が安くなることで支払総額が少なくなると言うメリットが有ります。これはわずか1%だとしても、効果は高く、返済に含まれる利息分が減ることで月々の支払額も少なくなり、その分支払に余裕が出てくるのです。
支払に余裕が出る事で、借金の返済を早く終了させる事も可能になります。借金の返済が早く終わると言う事は、借金の返済総額が減ることにもつながると言う、利用する側に一方的なローン商品であることからも、おまとめローンは総量規制の例外貸付として認められていると言う事なのです。
尚、総量規制にはおまとめローン以外にも例外貸し付けが認められているものが有るのです。年収の3分の1を超える貸し付けを禁じているのが総量規制になるわけなのですが、年収がゼロの専業主婦と言うのは年収の3分の1もゼロになりますので本来ならばお金を借りる事が出来ません。
銀行融資の場合は、配偶者の年収が安定していて、それが継続しているのであれば専業主婦でも利用できるのが特徴です。しかし、消費者金融でも総量規制の例外貸し付けとして、配偶者の年収を合算する事で年収の3分の1以内でのキャッシングの申し込みが可能になっているのです。更に、この例外貸し付けは専業主婦の人だけではなくアルバイトやパートをしている主婦の人も利用する事が出来るのが特徴なのです。
アルバイトやパートをして収入を得ている主婦の多くは、扶養控除内で働いている人が多いものです。
扶養控除内と言うのは、年収が103万円以内に収めると言うものであり、103万円以内であれば扶養控除が行われ税金を多く支払う必要が無いと言う便利な制度です。
103万円以内で働いていることからも、年収の3分の1と言うのはそれほど多くのお金を借りる事が出来ませんので、配偶者との年収を合算させて、年収の割合を大きくして融資を受けられるようにしてあるのです。
尚、銀行の場合は、配偶者に安定した収入と継続した収入が有れば専業主婦も融資を受ける事は出来るのですが、アルバイトやパートなどをしている主婦の人が配偶者との収入を合算させて融資を受ける事は出来ないのが特徴なのです。
総量規制は制限が有る規制ではあるのですが、おまとめローンや専業主婦および主婦の配偶者収入合算などが利用できる例外貸し付けも有るわけです。
消費者金融と銀行ではそれぞれ所定の審査を進めて融資を行うかどうかを決めるのですが、審査と言うのは、お金を貸しても大丈夫なのかと言う事を確認する目的で行われているものです。因みに、消費者金融や銀行などでのキャッシングを利用する場合の担保や保証人は原則不要になっているケースが多いのですが、お金を借りる中での担保や保証人と言うのは返済が出来なくなった時のためのもので、本来ならば必要不可欠な存在になります。
しかし、これらが不要でお金を借りる事が出来るのですから、急にお金が必要になった時に、担保を探したり手続きを行う事が不要になりますし、保証人は大半の場合が身内などに依頼をすることになりますので、身内が遠く離れた場所に住んでいたり、親が高齢者などの場合では保証人として利用出来ないケースもあるわけです。
銀行や消費者金融では、担保や保証人を不要にする代わりに保証会社の保証を受ける事を条件にしているのが特徴です。消費者金融の保証会社は専門の会社が行っているケースが多いのですが、銀行などの保証会社と言うのは消費者金融業を営む信用保証業務を行う会社が保証を行っているケースが多くあります。そのため、銀行の保証会社の中には大手の消費者金融の商号を目にすることも多いのが特徴なのです。
また、この保証会社は申し込みをする人の審査を行うのも特徴なのです。消費者金融や銀行などでお金を借りる時にはそれぞれの会社が審査を行いますが、この保証会社も審査に加わるのが特徴です。
そのため、消費者金融でお金を借りようとした場合は、消費者金融会社と保証会社の両方の審査を受ける事になるのです。
審査では返済能力などを加味して利用限度額を定めて行く事になりますが、消費者金融には総量規制が有ることからも、申し込み金額が100万円を超える場合や、申し込み金額と他社債務の総額が100万円を超える場合には収入証明書の提出が必要になるケースが多いのが特徴です。
これに対し、銀行の場合は300万円までであれば収入証明書の提出が不要と言った具合に、金融機関により収入証明書の提出が必要になる利用限度額が異なるのが特徴でもあるのです。