お金を借りる方法が多様化している現代では、キャッシング専用のカードを用いた資金調達が多くの方に受け入れられているようです。カードローンと呼ばれる金融商品は、かつては消費者金融など貸金業者が主に取り扱っていましたが、今は、大手都市銀行、地方銀行、信用金庫などあらゆる金融機関が主力商品として売り出しています。競争が激化してから、利用者にとって魅力的なサービスが増え、選択肢の幅が広がっています。
（⇒小規模な借入先について）

ただし、あくまでも個人に対する信用貸し付けは無担保ですので、貸倒れのリスクを回避するために金融機関が高めに金利を設定しているのは否めません。ネット専用銀行などは、人件費や店舗維持費が大幅に軽減出来る分を顧客に還元出来るので金利面で有利なようです。

今でも、消費者金融のカードローンは多くの顧客を抱えています。一時、貸金業法の改正や総量規制の実施などで、利ザヤを稼げなくなり、顧客は銀行に流れるなどの影響を受け、厳しい状況にありましたが、底力のある貸金業者は様々なアイデアを出し顧客を掴む努力をしています。例えば、新規ご利用者に限り一定期間の無利息キャッシングサービスや、1週間であれば何度でも利用出来る無利息キャッシングなど、長年の信用貸し付け業務の経験を活かした消費者金融ならではのサービス提供が顧客に好評を得ているようです。

消費者金融が今のように利用者にとって安心して融資が受けられる環境になるまでには、様々な時代の変遷がありました。貸金業者がサラ金（サラリーマン金融の略）と呼ばれていた時代をご存知の方は、当時、借金とりに追い立てられる利用者が自殺に追い込まれる悲惨な事件が多発したことを覚えておられることでしょう。現在は、貸金業者が設定出来る金利の上限が法律で定められていますが、当時は法外に高い金利設定をする貸金業者を取り締まる法制度がありませんでした。そのため、悪質な業者がはびこり、多くの方がその被害者となったのです。

当時も信用調査機関においてクレジットやローンの履歴を調べることが出来ました。そのため返済の可能性が全くないと思われる者に対して金融機関は融資をしません。ただし、ヤミ金といわれるような貸金業者は、返済能力のない人からも様々な方法でお金を搾り取る手段を講じます。兄弟・家族が巻き込まれ一家共倒れになるなどのケースも多くありました。

多重債務に陥った方は、家族に知られることを最も恐れます。そのため、家族がその事実に気付いた時には多額の借金を抱え個人では解決の出来ない状態に陥っていることが多いのです。もしも、身内の方が借金問題を抱えていることに気づいたら、早めに行政の法律相談や、弁護士事務所にアドバイスを受けるようにしてください。

銀行からも貸金業者からも借金が出来なくなったような時には、固定電話を担保にお金を借りることが出来ました。当時は、電話の加入権を担保に10万円程度の金銭を借りることが出来ました。仮にご自宅の固定電話が担保に入っているとしたら、これは、ご家族に多重債務の可能性が高いことを示していると考えられます。

その後、多重債務者問題に政府が本腰を入れたことで、今、多くの方が抵抗感もなくカードローンやキャッシングを利用されています。テレビでは毎日のように銀行や消費者金融のカードローンのコマーシャルを放映しています。キャッシング用のカードを1枚持っていれば急な資金不足に慌てずに対応できるようになりました。ただし、簡単に利用出来るものに人はすぐ慣れてしまいます。自制心を持ち正しい使い方をしない今の時代でも多重債務に陥るリスクはあります。利用する時、あくまでもキャッシングが借金であることを忘れないようにしましょう。

各金融機関は、特色を打ち出したサービス提供をしていますが、中でも他社とは違った視点で商品開発をしているのがスルガ銀行です。スルガ銀行は、静岡県沼津市に本社を構える日本の地方銀行の一つであり、1895年（明治28年）10月19日に株式会社根方銀行として銀行業を始めました。創業以来現在に至るまで地方銀行の使命である地域経済の発展と地域住民に役立つ商品の提供を心がけ事業展開を行っています。このスルガ銀行のカードローンのラインナップがなかなか独創的です。

まず、カードローンのラインナップだけで10種類あるのは珍しいでしょう。その中のカードローン「バンカーズライン」は銀行員専用のプランです。自分の勤めている銀行のカードローンに抵抗を持つのでは、そんな利用者目線で開発されたローン商品のようです。ご利用極度額は10万円～500万円、固定金利年7.0％～14.9％、クレジットカード機能付きとクレジットカード機能なしのどちらかを選択出来ます。ネットで申込みが出来るなどの点は他社と同様ですが、自宅に利用明細が届かないようにしたり、万が一の時には団体信用生命保険（保険料銀行負担）残債を整理することが出来るなどの特徴があります。

もうひとつこの銀行で面白いカードローンは、ＩＴ資格の取得を目指すエンジニアの方達を資金面で支援しようと考えられたカードローン「ＩＴサポートローン」です。契約から3ヶ月間の金利を半分に割引くので、教育訓練支給金(補助金)が入金されるまでの間の資金難に便利に活用できます。

銀行でも貸金業者でも、利用者を獲得しなければ経営が成り立ちません。その上利益が上がるような商品設計をすることが企業の存続に繋がります。そのため、それぞれの金融機関は、今後ますます利用者のニーズに合った魅力的な商品を提供するようになるのではないでしょうか。ただし、それらの商品のメリットを享受するためには、利用者側が情報に敏感になる必要があります。そして、正しい認識で利用しなければ良い商品もメリットではなく生活に悪影響を及ぼすリスクとなってしまうでしょう。

今は、ご家庭にパソコンが普及しています。様々な情報をインターネットで瞬時に調べられる時代になっています。残念ながらインターネット上の情報には間違った情報や悪意のある情報が氾濫していますので、利用する側は情報の取捨選択を迫られています。信用出来る情報を提供しているサイトをいくつかピックアップするなど、自分なりの正しい情報のえ方を考えておくと良いかも知れません。

また、世の中には人をだましてお金を儲けることに罪悪感を感じない人がいます。そのため、警察やメディアがいくら声高に注意喚起をしても後を絶たない振り込め詐欺被害などがあります。日本は今や世界でも珍しいほど急速に高齢化が進み、高齢者を狙った犯罪が増えてきています。キャッシュカード・クレジットカード・デビットカードなどなど、複数のカードを保有される方が多いと思いますが、カードが増えるほどリスクが高く、管理も大変です。ご家庭内のカードを一度整理して、不要なカードを解約するなどもリスク管理として検討されてはいかがでしょうか。

また、高齢者向けのカードローンに、年金受給者を対象としているものがあります。年金だけで生活が苦しい方達へのサービスとして企画された商品のようです。この商品も都市銀行よりも、地域密着型の仕事をしている信用金庫や地方銀行に見受けられます。ご利用極度額は少額になりますが、いざという時の安心を担保するのには良い商品かも知れません。高齢者の年金手帳を担保にする悪質な貸金業者の被害には遭わないよう注意してください。

その他、行政では生活困窮者に対して貸付制度を行っています。多くの情報を知っているといざという時に安心です。また、もしも何らかの法律的措置が必要なトラブルに巻き込まれたら、早めに行政の相談窓口や弁護士などにアドバイスを求めてください。泣き寝入りをすることは、悪意を持って人をだます人たちを増長させることに繋がります。一人で悩みを抱え込まずに誰かに相談してください。