近年の金融サービスの発展には目を見張るものがあり、次から次へと新しいサービスが展開される様になってきています。その様な時代と仕組みの変化は非常に早く、ついていくのがやっとの人もいれば、そもそも全くわからないと言う人もいるでしょう。銀行などの金融機関の情報を見ても「銀行は、消費者金融?」という頓珍漢な対応をしてしまう人もいることでしょう。それだけ現在の仕組みは一般的には分かりにくくなっています。しかし整理してみてみればそれほど難解なものではありません。現代人として豊かな生活を送るためには金融サービスを利用するのが現実的です。そのため必要最低限の知識は身につけておきたいものです。

まず金融機関としてはいくつかの種類が存在しています。まず最初の区分として出てくるのは「銀行」です。これはおなじみの存在ですので知らばい人はいないでしょう。しかし各地域を拠点としている信用金庫となるとうーんと唸る人も出てくるのです。地域に密着した信用金庫はその事業の仕組みそのものは銀行と類似していますが、法的には信用金庫法と呼ばれる独自のものが存在しています。銀行とは異なり、基本的には非営利法人としての業務を行っています。一般的にはこれらを広い意味で銀行と認識している人が多いのではないでしょうか。

それに対して消費者金融という金融機関も存在します。テレビコマーシャル等で大きく宣伝されている銀行ではない金融機関の多くは貸金業者というくくりで考えられていますが、これらのくくりの中に消費者金融が入ります。最近の若い世代にとっては消費者金融と言ってもそれほど特別な感情はわいてこないものであると思われますが、世代が上になると消費者金融というのは幾分いかがわしいサービスであるというイメージが染みついているところがあります。

かつてこのような消費者金融はサラリーマン金融、略してサラ金と呼ばれており、サラ金でお金を借りたという事実はイメージの低下につながるものでした。銀行でお金を借りるというのは住宅を建てたり事業を興したりする場合に行われるものであり、大きなことをするための借金であるというイメージを持たれるのに対して、サラ金では日々の生活のためのお金を高金利で借りたというイメージを持たせるものであったのです。

実際銀行では生活費のための融資というサービスはほとんど行われておらず、消費者金融はそんな隙間産業を埋めてきた経緯があります。そのため消費者金融はれっきとした金融機関でありながら銀行でお金を借りられなかった人が使う金融機関として１段下に見られていたのです。しかし近年になって大手消費者金融はイメージアップに邁進してきた経緯があります。その理由の一つとして株式市場に上場して一流企業の仲間入りを果たすということを挙げることが出来ます。結果として現在では銀行とはまた違った金融サービスを提供する企業として一定の認知を得るまでになりました。

これ以外の言葉としてヤミ金という言葉も広く知られています。消費者金融が今一つ良いイメージとして認知されてこなかった理由の一つにこのヤミ金の存在がありました。ヤミ金と消費者金融は全くの別物であるのですが、十分な知識を持っていない人にとっては同じようなサービスであると見られてしまったのです。そのため誤った知識による混同が大きな問題となりました。消費者金融各社が健全できれいなイメージの定着に力を注いだのはこのためであったとも考えられています。

ヤミ金というのは闇金融のことを指した言葉であると考えられています。実際には方による規制を無視した認可されていない金融サービス全般のことを指す言葉であり、違法の業者であることを意味します。貸し付ける金額に対して請求することができる税率の条件は法律に定められているのですが、闇金ではその様な規制は無視されることになります。又そもそも免許制である営業免許も取得せずに営業することがほとんどであり、極めて違法性の高いものであるというのが一般的です。

その様なヤミ金に頼らなければならなくなる人というのは一般的には多重債務でどうしようもない状態になってしまった人である場合が多くあります。銀行からの融資も受けることができず、消費者金融でもダメとなると残された選択肢は自己破産か闇金しかないのです。しかし現実的な問題としてヤミ金は選択肢ではないと考えておく必要があるでしょう。ヤミ金の営業には背後に暴力団の存在などがある場合も多く、もめごとの温床です。返済が滞った場合の対応はそもそもが非合法であるため非常に危険であると考えなければなりません。

近年ではその様な多重債務に陥る前に、借金ができなくなるように法改正することで被害者の数を減らす工夫をしています。具体的には消費者金融の法律である貸金業法に置いて総量規制という条項が定められたのは代表例として最適です。この法律は貸金業はその借り手の年収の３分の１以上の金額を貸し付けてはならないという規制をかけました。この様に具体的な数値に触れた規制は銀行の法律である銀行法にはありません。そのため消費者金融では年収に応じた少額の借り入れしか行うことが出来なくなったのです。

一方銀行でも年収額に関係なくいくらでも借りられるわけではありません。元々審査基準が厳しく返済能力が無い相手に対しては貸付を行わない傾向がありますので明アックなすうちによる規制が必要なかったということを意味しています。この法律の差は近年話題になることが多いキャッシングサービス、例えばカードローンのサービスにもそれぞれの特色を持たせることになりました。銀行では無収入の主婦でもカードローンの契約ができる場合があるケースがあるのに対して、消費者金融では無収入者に対しては法律により契約が不可能になったのです。

この無収入の主婦にでも貸付ができる仕組みというのは銀行独自のものです。銀行の審査により返済能力があると判断された場合に契約可能であるということを意味するのですが、実際の例としては配偶者に十分な額の収入があるなど他社の信用を借りた契約であることが少なくありません。銀行の場合は総合的に見て返済能力を判定する方式なのですが、消費者金融をはじめとする貸金業者に対してはより具体的な年収での判断を法律で義務付けたのは面白いところであると言えましょう。

この様に金融機関には様々な修理があり、それぞれに規制する法律が作られています。銀行に対しては銀行法が適用されますし、消費者金融金は貸金業法、信用金庫には信用金庫法が適用されることになります。それぞれが全く異なる法律であるにもかかわらず、近年人気の高まっている金融サービスであるカードローンなどのサービスは似たような仕組みで提供されるというのは面白いところであると言えるでしょう。カードローンなどのキャッシングサービスの場合には、それぞれの金融機関ごとにサービス内容に特色を持たせて普及に力を注いでいます。しかし保証会社が保証人になることで素早い契約の締結と融資が可能になるという仕組みは共通しており、似たようなサービスになっているのです。

これから何らかの金融サービスを利用しようという場合にはこれらの金融機関ごとの特徴に目を向けてみるのも良いでしょう。地域に複数ある金融機関では実に様々な種類のサービスが提供されており、それぞれに魅力的な要素が溢れています。借りるものはお金ですので同じですが、そのために必要になる利息や返済条件については実に様々な種類が生まれています。普段使っている金融機関が決まっているとしても、時には近隣の他のサービスに目を向けてみるということも必要であると言えるかも知れません。金融サービスの発展はこれからも進んでいくことが予想されますので、必要最低限の知識は抑えておく必要があります。