私たちが日々の生活を送るにあたって、ある程度のお金を蓄積しておくことはとても大切なことです。そういった余力がなければ生活費や食費も支払えませんし、ましてや家賃や公共料金、税金、保険料、ローンなどの支払いや返済なども不可能です。それに人生の階段を一歩一歩上がると、就職したり結婚したり、それから家族も増えたり、さらに子供が進学したり、親の介護生活が始まったりなどする過程で、常にまとまったお金の必要性が生まれてくるものです。

また、生活には常に潤いが必要であるのは言うまでもありません。家族揃って出掛けるなどのリクリエーション費や会社の同僚や友人との飲み会費、服や靴やバッグなどのファッションアイテムの購入費に至るまで出費の機会は数限りありません。そういったひとつひとつの場面で的確にお金を捻出していくためにも、然るべき借り入れ手段を用意しておくことはとても大切なことです。もちろん、親や兄弟などの近しい人に無理を言ってなんとかお金を捻出してもらうのもひとつの手段ですが、一方で保証人や担保などを用意することなく自己責任のもとで自由に借り入れができる銀行や消費者金融の存在はとても便利なものと言えるでしょう。

ここで重要となってくるのが銀行と消費者金融の違いです。共に便利にお金を貸してくれる存在として知られていますが、細かいところではその役割や業務内容が大きく異なっているものなのです。どちらかというと銀行の方が消費者にとっては馴染みの多い存在ですが、こちらでは主に個人預金を預かることでこれらを元手にして他社や企業にお金を貸し出し、その利息によって利益を出したり、あるいは個人預金者への利息支払いを行う仕組みとなっています。この時点で消費者金融に比べて預金口座のあり方などの違いがありますが、最も大きな違いと言えば組織を運営するにあたっての法律そのものが異なるという点に尽きるのではないでしょうか。

銀行は銀行法と呼ばれる法律によってそのあり方が定められています。そこには銀行が企業活動として運営にあたる際の権利も記されていますが、一方で国民の大事な貯蓄を預かる側として責務もきちんと記されています。もしも回収する見込みのない融資などを行ってしまった場合、これは企業のみならずそこに口座開設している利用者すべてに対しての損益となることは言うまでもありません。それゆえ銀行融資はその審査の過程がより慎重となることは免れません。

その一方で、利用者の権利を守る意味でも融資に対する利息は比較的抑えられており、返済しやすい内容となっていることも確かです。そのため、銀行融資は厳しい審査条件が課せられることが多いながらも、いざ借りるとなると条件がやさしいのが一般的な常識です。こうしたことから住宅ローンや自動車ローン、さらにおまとめローンなどのかなり高額に昇る借り入れなどであえて銀行融資を選ぶ人も多いようです。

これに対して消費者金融とはどのような違いがあるのでしょうか。まず銀行にとって銀行法があるように、消費者金融にとっても、その運営に関しての決まり事を記した法律が存在します。これが貸金業法と言うものです。消費者金融という存在は銀行と違って個人口座を開設して利用者のお金を預け入れるという仕組みがないことからも、全体的な取り扱いの金額と言うものも少なくなってしまいます。こういった経営母体に関してはひとつひとつが割と小さめですが、しかしながらそのために自由競争によって個々の采配に任せられた部分も多く、個人への融資も割と簡単な審査のもとで実施されるケースが多いことで知られています。また、どちらかというとその融資金額に関しても銀行などで取り扱う大きな金額に比べると比較的小さな金額であることが多いと言えるでしょう。

それでは消費者金融でお金を借りるにあたってはどのような手順を踏めば良いのでしょうか。まずは手続きが簡単で、なおかつ融資がスピーディーな手法としてカードローンやキャッシングといった手法があるのを押さえておくとよいでしょう。カードローンというのは個人が発行した専用カードを用いてATMから好きなタイミングで好きなだけ融資金を引き出せると言う金融サービスのことを指します。

もちろんカード発行にあたっては然るべき審査をクリアしなければなりません。まずはインターネットや電話、店舗窓口、郵送、自動契約機などを使って、申し込みフォームに氏名、年齢、職業、勤務先、年収などの個人情報を記載した上で申し込みを実施。それらの内容を消費者金融の審査担当者がしっかりと精査した上で融資額に見合うだけの収入を伴っているのかをきちんとチェックした上で、さらに信用機関への問い合わせを通じて過去の借り入れにおける問題点や現在の他社からの借り入れ総額なども確認します。
（⇒融資のネット申し込みはもはや常識？）

その上、勤務先への在籍確認と呼ばれるチェック作業も欠かせないもので、実際に会社に電話してみて申請者がそこに勤務している実態を確かめるわけです。なお、この時には消費者金融名を明かすことはありませんので、電話に出た同僚などに借金についてバレることなく審査を進めることも可能です。

いずれにしてもこれらの審査が完了すれば、あとはその胸が申請者へと連絡され、その足で店舗窓口や自動契約機を訪れてカード発行を受ければ良いのです。受け取った瞬間から全国のATMから融資を受けることができるようになります。特にコンビニチェーンと提携しているカードローンに至っては２４時間いつでも借り入れが行えるので大変便利です。

消費者金融にて行えるもう一つの借り入れにはキャッシングがあります。これは希望した融資額をそのまま銀行口座へと一括振り込みしてもらえるというもので、カードローンのようなカードを介した手間が省けることもあって、何よりも手軽さを重視する人にとってはとても使い勝手の良い融資方法として知られています。ただし、カードローンのようにそのカードを手にしていれば何度でもATMからお金を引き出せるといった昨日は全くなく、このキャッシングの場合にはお金の必要性に見舞われるたびにまた新たな融資申請を実施する必要があります。

キャッシングの申請にはパソコンやスマートフォンを介したインターネット申請の他に、電話や郵送などを使った方法も一般的です。ただし最近ではやはり手元のスマートフォンから簡単に公式サイトへと接続できて、その後、必要事項を記入して迅速に申し込みが行えるネット申請が大きな人気を獲得しているようです。こういったネット申請だと、消費者金融側のバックアップ体制が手薄な夜中などの時間帯でも、順番に申し込みを受け付けてもらうことが可能です。

それに審査の際に必要となる身分証明書や年収を証明するための書類などの提示も簡単。スマートフォンの撮影機能を使って書類を撮影し、その画像データを送信するだけで受け付けてもらえるので大変便利です。こうした審査を経て、だいたい４０分から６０分で融資の可否が判定され、その後も即日中に振り込みが完了するので、今日や明日にでもお金が必要な時にだって余裕を持って対処することができます。

このように便利な消費者金融なのですが、銀行融資に比べて違う点がもうひとつあります。これが貸金業法によって定められた総量規制という決まり事です。消費者金融では年収の3分の1を超える個人融資をしてはいけないことになっており、もしもこの上限を超えて融資を行ったことが判明すると消費者金融に罰則が加えられることとなります。すでに他社からの借り入れを実施している場合にはこれらを差し引いた部分で融資可能金額を算出して臨まねばなりません。

こういった現時点での借り入れ総額については信用機関への照会によって一発で明らかになりますので、ごまかしたとしてもすぐにバレてしまうこととなります。対する銀行ではこのような制限もなく融資が受けられるので高額の融資契約においては打ってつけといえるでしょう。こういったそれぞれのメリットとデメリットをきちんと把握した上で、最終的な手続きへと踏み込んでいきたいものです。